記念特集 2-2-10 MBE 研専──今日までの道のり──

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Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

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臼井支朗 正員:フェロー

Shiro USUI, Fellow.

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 p.1062 2017年10月

©電子情報通信学会2017

1.発足から今日までの経緯

 MEとバイオサイバネティックス(MBE)研専は1955年9月,当時の電気通信学会技術委員会に創設された医用電子装置研究専門委員会にその端を発する.これに呼応して日本医学会にも医用電子装置協議会が創設された.その後,1962年11月に日本ME学会が設立され,日本のME分野は急速に確立・体系化された.こうした事情から本研専は設立当初から日本ME学会との共催研究会として今日まで伝統ある歴史と活動が引き継がれてきた(1).その後,電子・情報分野の著しい発展に伴い学会名称も更新され,本研専も1966年に医用電子・生体工学研究会と改訂された.また,多面的な境界と接するME分野においては,基礎となる電子,情報,通信,半導体,計算機などの工学諸分野は切っても切れない領域である.その急速な進歩に対応すべく1986年4月にMEとバイオサイバネティックス研究会と改訂,副委員長制の導入など組織体制が確立され今日に至っている(2)

2.研究会組織と運営

 図1は1967年以後の本研専の年間発表件数,3月(関東開催)の発表件数である.参考に研専発足当時からの本会の正員数を示す.関東以外の開催地は北海道,東北,信越,北陸,東海,関西,中国/四国,九州と全国にわたっている.1979年以後,毎年3月は玉川大学あるいは機械振興会館で神経情報科学研究会と協賛,計測自動制御学会の生体・生理工学部会と共催の特別講演会を開催してきた.1988年頃の急増は当時のニューロブームを反映しており,それに伴って1989年5月にニューロコンピューティング研専が発足・分離したが,以後も本研究会と同時開催されてきた.その他,IEEE東京支部や電気学会,ME学会各支部や関連学会,研究会との共催も多い(次ページ「今後の展望」の文献(2),(3)を参照).こうした60年余にわたる研究会活動の歴史,歴代の委員長・幹事団などの詳細は研究会ホームページ(3)に公開されている.最近のIoT,ビッグデータ,人工知能などインターネットを介してますます多様化する21世紀の高度情報化社会に向けて,生命科学,脳情報科学,福祉・健康医療など本研専が果たすべき役割・責任は大きく,今後の新しい展開が期待される.

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文     献

(1) 特集“日本ME学会創立20周年記念,”医用電子と生体工学,vol.20, no.7, pp.471-614, Dec. 1982.

(2) 臼井支朗,“「MEとバイオサイバネティックス研究会」を顧みて,”BME, vol.3, no.5, pp.42-44, May 1989.

(3) MBE研専ホームページ,
http://www.ieice.org/iss/mbe/jpn/MBE.pdf

 (平成29年4月27日受付 平成29年4月29日最終受付)

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(うす)() ()(ろう) (正員:フェロー)

 昭49カリフォルニア大学大学院博士課程了(Ph.D.),名大・助手,昭54豊橋技科大・講師,助教授を経て昭61教授,平15同大学名誉教授,理研BSI・神経情報基盤センター長を経て平24特別顧問,平7年度本会猪瀬賞受賞,書籍「脳・神経システムの数理モデル」など.


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