記念特集 2-2-10 MBE 研専のこれから

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Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

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福岡 豊 正員 工学院大学工学部電気電子工学科

Yutaka FUKUOKA, Member (Faculty of Engineering, Kogakuin University, Tokyo, 163-8677 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 p.1063 2017年10月

©電子情報通信学会2017

1.研究会の活性化策

 MBE研専は,毎年9回の研究会を開催し,100件以上の発表がある.現状に満足することなく,更なる発展を目指して,共催関係の強化,研究奨励賞の創設,情報発信の拡充の三つを中心に活性化策を考えている.

 本研専の今日までの道のりでも述べたように,ニューロコンピューティング研専をはじめ複数の団体と共催/併催を行っている.これらの団体とは共通の研究分野も多く,参加者の増加に寄与している.これら以外にも研究領域の重なる学協会は多数あり,積極的な交流を行い,更なる参加者増と議論の活発化を目指す.

 本研専が扱う研究領域の発展に対する将来の貢献を奨励することを目的とし,本年5月に研究奨励賞を創設した.対象は学生を中心とした若手であり,関連する研究領域の若手研究者を増やすための施策でもある.積極的な応募をお願いしたい.詳細は本研専ホームページを参照頂きたい.

 従来の本研専ホームページは,毎回の研究会の開催案内/募集を中心とした内容であった.今後は,奨励賞の受賞情報など,ホームページを通じた情報発信を拡充し,多くの会員に関心を持って頂けるようにしたい.

2.ICTによる発展が期待される近未来の医療

 人口の高齢化に伴い医療,健康,福祉の領域において様々な課題が生じている.本研専は,このような課題に対して技術的な解決策を示すことを使命としている.医療や福祉の将来像については,多くの予測がなされている(1).本研専でも,折に触れて現状と展望を整理してきた(2),(3)

 これらを踏まえて,今後の発展が期待される研究領域をまとめたものが表1である.ヘルスケアやライフログ,遺伝子情報,電子カルテなどの医療情報がネットワーク上に集積されている.人工知能技術の急速な発展に伴い,これらのビッグデータの解析を通じた診断,予兆の検出など,個人に最適な治療・処置が可能な社会の到来が期待されている.更に,再生医療の分野においても三次元的な臓器の作製などの課題に,ICTと精密加工技術を活用したイノベーションが期待される.

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 このように,本研専が扱う研究領域はICTの利活用が大いに期待される分野であり,多くの会員の皆様に関心を持って頂けたら幸いである.

文     献

(1) 経済産業省(編),技術戦略マップ2010―バイオテクノロジー/医療機器分野,平成22年.

(2) 中尾光之,“ポストゲノム,ビッグデータ時代のME,”信学情報・システムソサイエティ誌,vol.18, no.4, pp.13-14, Feb. 2014.

(3) 小林哲生,“MBE研究会とニューロエンジニアリング,”信学情報・システムソサイエティ誌,vol.20, no.4, pp.13-14, Feb. 2016.

(平成29年4月28日受付)

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(ふく)(おか) (ゆたか) (正員)

 昭62慶大・理工・電気卒.平4同大学院博士課程了.同年東京医科歯科大・助手.現在,工学院大・教授.生体信号処理,バイオインフォマティクスなどの研究に従事.博士(工学).平28年度計測自動制御学会著述賞受賞.著書「生体システム工学の基礎」など.


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