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ライフインテリジェンスとオフィス情報システム(LOIS: Life Intelligence and Office Information Systems)研専は,オフィス業務の効率化を目指すシステム開発等を目的に昭和61(1986)年にオフィスシステム(OS)として発足し,30年が経過した.以下,現在に至るこれまでの経緯及び研究状況等について述べる.
OS研専の発足にあたって,日本電信電話株式会社研究所の釜江尚彦博士と大阪大学の故真田英彦元教授の御尽力によるところが大きい.発足当時の昭和60年代は,日本語ワードプロセッサやプリンタなどが開発され文書作成・蓄積技術などを中心にオフィスにおける電子化・自動化等を目指してオフィス・オートメーション(OA)学会で研究されていた.更にオフィスの各種機器を接続する通信系システム等の研究の必要性が認識され,電子通信学会にも上記両氏が中心になってOS研専が設立された.このOS研専設立当初は,オフィスにおけるシステム等が主な対象であったが,アプリケーションも考慮してソフトウェアや情報関連も含めた発表の場を提供するため,平成14年にオフィスシステム(OFS)研専からオフィスインフォメーションシステム(OIS)研専と名称変更された.更に,インターネットの普及とともに学生や一般ユーザによるシステム開発や保守・運用などが行われるようになり,その議論や発表の場を提供するため平成21年にライフインテリジェンスとオフィス情報システム(LOIS)研専と名称変更された.これに伴いライフログやセキュリティなども議論されるようになり,研究会の活性化が一層進んで現在に至っている.
LOIS研究会は,毎年6回の奇数月に開催される研究会と9月の情報処理学会との共催によるソサイエティ大会である情報科学技術フォーラム(FIT)及び3月の総合大会の計8回が開催されている.LOIS研究会で取り扱われる分野のキーワードは,研専のHP(2)に記されているように,ライフログ,オフィスモデル,コミュニケーション,データマイニング,システムアーキテクチャ,ネットワーク,セキュリティ,ヒューマンインタフェース,その他のアプリケーションである.これらは,基本の要素技術からアプリケーションの応用技術まで広範囲にわたっている.したがって,毎年3月はLOIS研専単独で開催しているが,ほかの月は他ソサイエティの研専だけでなく,情報処理学会や電気学会など他学会の研究会と合同で開催しており,毎年70~100件程度が発表されている.なお,総合大会やFITでも平均30件以上が活発に発表されている.また,和文論文誌Dにはオフィス関連の特集号が過去5回発行されており,本年は初めて英文論文誌の特集号が10月に発行される予定である.以上のように,LOIS研専は時代とともに名称や取扱い範囲の変更を重ねながらも変化する技術に対応して着実に発展を続けている.
(1) T. Wakahara, T. Maki, N. Yamamoto, A. Kodate, M. Okamoto, and H. Nishi, “Trend and Factor Analysis of Office related research in LOIS Technical Committee,” IEICE Trans. Inf. & Syst., vol.E-100D, no.10, Oct. 2017.
(2) LOIS研究会,
http://www.ieice.org/iss/ois/jpn/index.html#field
(平成29年4月24日受付 平成29年5月28日最終受付)
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