記念式典 来賓祝辞

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.100 No.12 (2017/12) 目次へ

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1.は じ め に

 電子情報通信学会の創立100周年を心よりお喜び,お祝い申し上げます.本日は,このような記念すべき式典の場にお招き頂きましたことを感謝申し上げます.

2.電子情報通信の発展

 由緒ある貴学会が創立100周年を迎えられたこの機会に,歴史を振り返ってみますと,電子情報通信の発展が距離や時間の束縛から私たちを解放し,社会を大きく変化させてきたことを改めて実感致します.かつて遠く離れた人にメッセージを伝えるには手紙を書き,それを何日も掛けて馬や人が運ぶ必要がありました.しかし,電信や電話,そして電子メールの登場により,メッセージを一瞬にして届けることが可能になっています.また,海外の情報を収集する場合も船や飛行機に乗り,その国に足を運ぶ必要はなくなりました.インターネットで検索すれば誰でも情報にアクセスできます.

3.これからの時代に向けて

 貴学会は電子情報通信の研究技術者の活動の場として,技術の発展を着実に支えてこられました.こうした中,足下ではIoT,ビッグデータ,AI等の著しい発展により経済社会システムが大きく変化しつつあり,電子情報通信技術の重要性はますます高まっています.

4.経済産業省としての取組み

 経済産業省としてはこうした時代を我が国が勝ち抜く戦略として「コネクティッド・インダストリーズ」という概念を提唱しています.これは,‘もの’と‘もの’,人と機械,人とIT,異なる産業に属する企業と企業等の様々なつながりを生むことで,新たな付加価値を創出し,社会課題を解決していく産業の在り方を指します.この「コネクティッド・インダストリーズ」の実現に向け,関係施策を総動員して取り組んでいく考えです.

 この中でも研究開発については,「コネクティッド・インダストリーズ」による競争力のある技術を確かなものとするため,産業技術総合研究所や大学,情報通信研究機構(NICT)等との連携の下,最先端の電子情報通信技術によって生産性向上を実現する研究開発を実施します.また,データの利活用については,「コネクティッド・インダストリーズ」におけるデータ活用の基盤として,「官民データ活用推進基本法」も成立し,産業・個人データの流通・利活用の促進,国際的なデータ流通の円滑化を推進します.更に,次世代の人材育成に関しては,教育訓練講座の拡充,プログラミング教育必修化,IT分野の起業や事業化支援を推進します.なお,サイバーセキュリティについては,インシデント情報の共有の促進や,人材育成,サイバーセキュリティ投資への支援を実施します.

 新たな時代に向け,産学官は更に密に連携し,協力しなければなりません.これまで以上に貴学会とともに,我が国の課題解決,産業競争力強化に向けて尽力してまいります.

5.結     び

 結びに,貴学会の新しい100年に向けた更なる御発展と,皆様の御健勝を祈念し,挨拶と致します.


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