今月のニュース解説 超薄形電波吸収体とその設計手法を開発――厚みを従来の1/10に――

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Vol.100 No.2 (2017/2) 目次へ

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◆今月のニュース解説

 超薄形電波吸収体とその設計手法を開発――厚みを従来の1/10に――

 Development of Ultra Thin Radio Wave Absorber

超薄形電波吸収体とその設計手法を開発

――厚みを従来の1/10に――

 青山学院大学は,誘電体基板上に金属パッチを配列したパッチ配列電波吸収体を開発し,その設計手法を明らかとした.同電波吸収体の厚さは,従来の電波吸収体と比較して10分の1程度と非常に薄く軽量であることから,曲面にも実装可能な柔軟性を有する吸収フィルムを実現できる見込みがあり,不要な電波反射の抑制が要求されている料金自動収受システム(ETC)やレーダの偽像防止等における利用が想定される.

 従来の電波吸収体は,必要な比誘電率及び誘電正接を持つ吸収材料を製作するため,ゴムや樹脂材料に導電性粉末を含有させる必要があることから一般的に比重が大きい.また,吸収したい周波数における4分の1波長となるように材料厚みを制御する必要がある.薄形化のためには材料の比誘電率を大きくする必要があるが,このような高誘電率材料を再現性良く製造することは非常に困難である.更に,高誘電率材料を用いた場合では厚さばらつきによる動作周波数の変化が大きいことから,厚みについて非常に高い加工精度が必要となることも,電波吸収体を実現する上で課題となっていた.


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