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1.FPGA アクセラレーションを用いたアプリケーション実例
小特集 1-2
ネットワーク検索エンジン及びディープニューラルネットワークの高速化
Accelerations Using an FPGA toward to a Packet Classification and a Deep Neural Network
abstract
FPGAの応用分野としてネットワーク向けパケット検索エンジンやディープニューラルネットワークが挙げられる.どちらも用途に応じて仕様の変更が頻繁に生じ,かつ短期間開発が求められているため,専用LSIを起こすことはコストの面で問題がある.また,汎用CPUでは遅く,GPUでは消費電力が問題となる.したがって,コスト・性能・消費電力のバランスという点でFPGAが有利である.本稿では,それぞれの応用における研究動向を紹介する.
キーワード:パケット分類,ディープニューラルネットワーク,FPGA,低消費電力
FPGAの応用分野としてネットワーク向けパケット検索エンジンやディープニューラルネットワーク(DNN: Deep Neural Network,深層ニューラルネットワーク)が挙げられる.どちらも用途に応じて仕様の変更が頻繁に生じ,かつ短期間開発が求められているため,FPGAが有利である.本稿ではこれらの研究背景・課題,及びFPGA実現における技術動向について述べる.
図1にパケット分類器(1)を示す.パケット分類は,ルータやファイヤウォールが持つ機能の一つである.パケットのヘッダには,プロトコル番号,送信元アドレス,送信先アドレスやポート番号などの情報が含まれている.パケット分類器は,これらを参照し,ルールと呼ばれるあらかじめ登録されたヘッダと一致した場合,特定の動作を行う(2).パケット分類器は様々な用途で用いられており,例えばセキュリティを改善するため用いられているファイヤウォール(FW: Fire Wall),QoS等で用いられるアクセス制御リスト(ACL: Access Control List),IPマスカレード等で行われるパケットのフィルタリング,及び加工で用いられるIPチェーン(IPC: IP Chain)が挙げられる.
表1に最も単純な5組のフィールドから成るパケット分類表の例を示す.*はドントケアを表す.5組のフィールドは送信先アドレス(SA: Source Address),送信元アドレス(DA),送信先ポート番号(SP),送信元ポート番号(DP),及びプロトコル番号(PRT)を示す.パケット分類器はパケットのヘッダから各フィールドに対応するデータを抽出し,パケット分類表を参照してマッチするルールを決定する.
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