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1. 第5世代移動通信システム「5G」とは
特集1-3
オールジャパンによる5Gシステムトライアル
5G System Trials by All Japan
abstract
5Gは既存のシステムを更に発展させた「超高速・大容量」,「超低遅延」,「多数接続」などの特徴を持つ次世代の移動通信システムである.日本では2017年度から総務省の「5G総合実証試験」が開始され,2020年の5Gの実現に向けた準備が進められている.5G総合実証試験では新たな市場・サービス・アプリケーションの創出に向けて移動通信業界関係者とともに様々な利活用分野の関係者が参画している.本稿では,第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)総合実証試験推進グループが取りまとめた,5G総合実証試験に関する内容と成果について概観する.
キーワード:第5世代移動通信システム,実証試験,5Gシステムトライアル,アプリケーション,サービス
第5世代移動通信システム(5G)は,従来システムを発展させた超高速(eMBB: enhanced Mobile Broad-band)だけでなく,超低遅延(URLLC: Ultra-Reliable and Low Latency Communications),多数接続(mMTC: massive Machine Type Communications)といった新たな特徴を持つ移動通信システムであり,早期実現が期待されている.近年,2020年の5G実現に向け,国際標準規格化や実用化に向けた研究開発が加速しており,2017年度からは5Gの実現による新たな市場や新しいサービス・アプリケーションの創出を目的に,様々な利活用分野の関係者が参画する総務省の「5G総合実証試験」が開始された(1)~(2).2017年度の同実証試験は表1に示す六つの試験グループ(GⅠからGⅥ)で構成されており,GⅠ,GⅡ及びGⅣはeMBB,GⅢとGⅤはURLLC,GⅥはmMTCに関する実証試験に利活用分野のパートナーと協力して試験が実施された.本稿では,筆者らが5GMF(The Fifth Generation Mobile Communications Promotion Forum)総合実証試験推進グループのメンバーと取りまとめた,各試験グループの試験内容と成果について概説する(9).
GⅠでは,人口密集地において10Gbit/s超の超高速通信に関して,エンターテインメント,スマートシティ,医療の三つの応用分野において実証試験を実施した(3).
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