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1. 第5世代移動通信システム「5G」とは
特集1-2
5G標準化動向
5G Standardization
abstract
第5世代移動通信システム(5G)では高度化モバイルブロードバンド(eMBB: enhanced Mobile Broadband),大規模マシンタイプ通信(mMTC: massive Machine Type Communications),超信頼・低遅延通信(URLLC: Ultra-Reliable and Low Latency Communications)など様々な適用シナリオのサポートを目指している.本稿では,3GPP(3rd Generation Partnership Project)で検討されている5Gの標準化動向について概説する.
キーワード:LTE,5G,3GPP,標準化
近年のスマートフォンやタブレット端末の普及により,いつでもどこでも気軽にインターネットを通じたサービスやアプリ,動画像や音楽などが楽しめるようになり,通信事業者にはあらゆる環境でより一層高いユーザ体感品質を提供するモバイルブロードバンド(MBB: Mobile Broadband)の実現が期待されている.更に,あらゆる‘もの’が無線でネットワークに接続する世界であるIoT(Internet of Things)が近年非常に注目されており,IoTによって開拓される新領域のサービスは今後ますます重要になってくるものと考えられる.
このような期待を背景に第4世代(4G)であるLTE(Long Term Evolution)及びLTE-Advancedの次世代となる第5世代の移動通信システム,すなわち5Gの議論が近年非常に活発化し,世界各地で5Gの推進団体や研究プロジェクトが誕生し,5Gのコンセプトや要求条件が盛んに議論された(1).また,移動通信システムの標準化パートナーシッププロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では,2015年9月に「3GPP RAN Workshop on 5G」会合(2)を開催し,これを皮切りに本格的な5Gの標準化議論が開始されている.
本稿では5Gで想定されるサービスや適用シナリオ,要求条件,標準化スケジュールとともに要素技術について述べる.以下,本稿の構成を述べる.2.では5Gで想定されている適用シナリオ,要求条件を概説する.3.では3GPPを中心に5Gの標準化スケジュールについて述べる.4.では3GPPにおいて仕様化された5Gの要素技術について説明し,5.において本稿の結論をまとめる.
5Gの適用シナリオと要求条件は,国際電気通信連合の無線通信部門(ITU-R: International Telecommunication Union-Radio Communication Sector)や各地域における標準化団体等で議論されてきた(3)~(6).3GPPにおいても5Gの適用シナリオと要求条件に関する基礎検討(Study Item)が2016年12月から開始され,検討結果がTechnical reportにまとめられている(7).5Gの代表的な適用シナリオとして以下が挙げられる.
・高度化モバイルブロードバンド(eMBB: enhanced Mobile Broadband)
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