小特集 2-1 インドにおけるIT教育システム――構成,最近の傾向,産業界への貢献――

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Vol.101 No.2 (2018/2) 目次へ

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グローバル科学社会シリーズ──インド編── 2.コラム

小特集 2-1

インドにおけるIT教育システム

――構成,最近の傾向,産業界への貢献――

IT Education System in India: Structure, Recent Trends, and Contributions towards Industry

Pratish DATTA Avik CHAKRABORTI(著) 伊東 匡(訳)

Pratish DATTA 日本電信電話株式会社NTTセキュアプラットフォーム研究所

Avik CHAKRABORTI 日本電信電話株式会社NTTセキュアプラットフォーム研究所

伊東 匡 正員:シニア会員 日本電信電話株式会社NTT情報ネットワーク総合研究所

Pratish DATTA, Avik CHAKRABORTI, Nonmembers (NTT Secure Platform Laboratories, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Musashino-shi, 180-8585 Japan), translated by Tadashi ITO, Senior Member (NTT Information Network Laboratory Group, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Musashino-shi, 180-8585 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.2 pp.181-183 2018年2月

©電子情報通信学会2018

1.は じ め に

 ITは現代社会を劇的に変えつつある.多くの人的資源を抱えるインドでは,IT教育を有効かつ高度に推進する施策に意欲的に取り組んできた.本稿では,インドでのIT教育の概要を説明する.ここでは,最近の動向を中心に幾つかのトピックに分けて述べる.まず,インドのIT教育システムを概説する.次に,高度IT教育に関する政府の施策について述べる.更に,IT教育の成果がどのようにインド社会の中で生かされているかについての最新動向を紹介する.最後に,IT教育とIT分野がインド経済にどのような貢献をしているかを簡単に述べる.

2.インドにおけるIT教育システム

 現代社会におけるIT教育の重要性を考えると,インドの基本的な教育制度においてIT教育は極めて重要な位置付けとなっている.最近では,初等教育修了直後のインドの学生に対して,コンピュータ及びその応用に対する基礎知識を付けるようにしている.まず中学レベルにおいては,コンピュータハードウェアの概要,Microsoft Officeやインターネットブラウザ等の必要不可欠なアプリケーションを基本知識としたIT教育が行われる.引き続く高校レベルでは,学生は,コンピュータと数体系(例えば,2進数,16進法その他),基本的なデータ構造(例えば,木,スタックその他),単純なアルゴリズム(例えば,検索,ソートその他)と基本的なプログラミング言語(例えば,C言語)を学んでいく.このように,学生は計算機科学とコンピュータ応用についてより高度な教育を受けるモチベーションとそこへ踏み出す機会が与えられる.

 今やコンピュータ技術は,インドにおける全ての理工系大学やインド工科大学(IIT),国立工科大学(NIT)といった先進的国立大学,一部の工科大学において重要な分野となっている(図1).

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