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解説
バーチャルリアリティ環境における身体情報計測技術
Sensing Technology of Non-verbal Information in Virtual Reality Environments
abstract
バーチャルリアリティ(VR)においては,VRの3要素として「三次元の空間性」,「実時間の相互作用性」,「自己投射性」がシステムに必要とされる特性として知られている.本稿では,特に没入型バーチャルリアリティ環境において「自己投射性」を高めるための身体情報計測技術として,筆者らの研究グループで取り組んでいる反射形光センサを用いたユビキタス光センシング技術の中で,頭部装着形ディスプレイに組み込んだ反射形光センサによる表情認識技術と,ばねに組み込んだ反射形光センサによる身体膨張計測技術について解説を行う.
キーワード:バーチャルリアリティ,反射形光センサ,表情,身体膨張
バーチャルリアリティ(VR: Virtual Reality)は,コンピュータ上に構築したバーチャル環境から得られる感覚を実環境から得られる感覚と等価なものにすることによって高い臨場感を構築することを目指した概念である.図1にVRシステムを体験するユーザの一例を示す.
VRシステムは,ユーザの状態をセンシングする計測装置,バーチャル環境記述システム,バーチャル環境の状態を示すための提示装置によって構成することができる.VRシステムの特徴として,「三次元の空間性」,「実時間の相互作用性」,「自己投射性(用語)」の3要素を持つことが挙げられる(1).この3要素のうち,特にバーチャル環境に対する自己投射性は,多様な計測技術によって実環境のユーザの身体情報を計測することによって向上させることができる.
本稿では,バーチャルリアリティ技術の動向について概観するとともに,筆者らの研究グループで取り組んでいるバーチャル環境を対象とした身体情報計測の試みとして,ユビキタス光センシング技術に基づく表情や身体膨張などの計測技術について紹介を行いたい.
VRのための装置としては,1968年にDr. Ivan Sutherlandが開発したヘッドマウントディスプレイ(HMD: Head Mounted Display)(2)を嚆矢として,多様な提示と計測を行う装置が提案されている.
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