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次世代を切り開く情報通信エネルギー技術
小特集 1.
情報通信拠点としてのデータセンターのエネルギー技術動向
Technical Trends on Energy Issues of Data Centers as ICT Infrastructure
abstract
近年,ICT利用に伴うデータトラヒック量の増加が著しい.このため,ICTインフラの基盤として重要な機能・役割を果たすデータセンターのエネルギー消費も拡大の一歩をたどっており,運用やコスト改善のみならず,地球環境保護の観点でも,同分野の省エネ,高効率化は喫緊に解決されるべき課題である.本稿では,データセンターの概要とエネルギーに関する現状の課題,また,その対策ついて,電源・空調のエネルギー改善事例から解説する.
キーワード:データセンター,高発熱負荷,直流,DCIM,分散電源
各種社会インフラやコミュニティ,また産業・民生・個人などの用途を問わず,ICT利用・需要が拡大しており,世界的なレベルでデータトラヒック量が年々増加している.これは,近年のIoT,ビッグデータ,AIなどのキーワードに代表されるように,ICT利用の多様化や頻度の増加,センサ類を含むデバイスや端末数の増加も,その要因の一つである.利用者側の要求に従い,データの大半は,データセンター(以下DCと略す)を介して処理・保存される.専門用語や正確な定義を避ければ,DCは,情報の加工工場や倉庫と表現できるであろう.
DCには,コンピュータやデータ通信装置等のICT機器/設備が多数設置・運用されているが,停電や各種トラブルに備えた無停電電源装置(UPS)や,バックアップ用の発電装置,また,ICT機器類の運用に伴い発生する大量の熱を処理するための空調設備が設置されている.これらの設備類のほか,セキュリティや施設管理のためのシステム,照明・付帯設備等を含め,災害や様々なリスクを避けるため堅ろうな建物に収容されている(図1).ICT機器と電源,空調設備をモジュールに一体化し,専用のコンテナに収容する形態もあるが,DCの立地条件やスペースの利用形態に合わせて選択される.
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