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今更ながら“k”って何

What an Enigma to Evaluate the Coupling Figure of Merit

大平 孝

大平 孝 正員:フェロー 豊橋技術科学大学未来ビークルシティリサーチセンター

Takashi OHIRA, Fellow (Research Center for Future Vehicle City, Toyohashi University of Technology, Toyohashi-shi, 441-8580 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.1 pp.79-82 2019年1月

©電子情報通信学会2019

1.悔しい思い出

 mathファクタに続くシリーズ第2弾「結合係数とは何か」を考える.学部2年次電気回路の授業で変圧器の密結合条件式mathを習った.学期末試験直前にこの式を一夜漬けし,無事単位取得.高学年に進級したある朝のこと部活の後輩にこの式の<根拠>を聞かれて説明に窮した.これは筆者自身の苦い経験談である.教科書で分かったような気になっていても実は物理的意味を理解していなかったりする.本稿ではシンプルな回路例を幾つか挙げて結合係数を紙と鉛筆で手計算する.その過程で,これまで教科書で天下り的に覚えていた公式の位置付けをなるほどガッテンする.

2.変  圧  器

 図1に示す変圧器で二次側を開放(math)したとき電圧は

math

(1)

である.そのときの変圧比をmathと書くとmathである.これに式(1)を代入すると

math

(2)

となる.次に一次側と二次側を入れ替えて同様(math)に考えると変圧関係が左右逆転し

math

(3)

となる.式(2)と(3)からmathを消去すると

math

(4)

を得る.これで求めていた密結合条件が導き出せた.質問した後輩君にもどや顔で説明できる.要は,変圧比mathを一旦仮定しておき,それを最後に消去するという操作がここでのみそである.


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