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回路図で理解する複比保存則
Get an RF Engineer’s View to the Quad Complex Cross Ratio
Qファクタ,結合係数に続くシリーズ第3弾「複比とは何か」を考える.複比(ふくひ)は平面幾何学において1本の直線上に並ぶ4点間の距離から定義され,直線の移動に対してロバスト性を呈する(1).この特徴を工学に生かすことはできないだろうか.ここでは高周波を志す学生君たちが学部の授業で習うLCR回路やトランスを使って美しい数学物語に迫る.
高周波システムの構成要素(デバイス・回路・アンテナなど)は何らかの要因によりイミタンスが変動することがある.変動量を二つの複素数,の差分
(1)
として表すこととする.
これにLCR素子を直列接続した系を図1に示す.左端から見たイミタンスは
(2)
となる.ここで,は入射正弦波の角周波数,は虚数単位である.前提としてが変動してもLCR値は変わらないとする.左端から見た変動量は
(3)
となる.つまり,を直列挿入しても二つのイミタンスは平行移動するだけであり,その差分は保存される.
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