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3. IoTの活用分野と応用例
特集3-2
小売店での決済無人化を実現する画像認識POSシステム
Image Recognition POS System for Unmanned Checkout in Retail Stores
abstract
労働力不足が深刻化するコンビニ・スーパーなどの小売業界では,特に業務負荷の高い決済業務(レジ精算)の省力化・無人化が期待されている.本稿では,IoT・AI技術がもたらす業務革新の一つとして,カメラからの画像認識による決済無人化の取組みを紹介する.小売店で扱うパッケージ品などの定形物から日配品・生鮮品などの非定形物まで,あらゆる商品を一括で画像認識する多種物体認識技術を用いることで,来店客が多数の商品を雑然と置くだけの簡易な操作で,高速に決済できる画像認識POSシステムについて解説する.
キーワード:小売,POS,画像認識,ローカル特徴量,ディープラーニング,CNN
IoT(Internet of Things)やAIの技術がもたらす第4次産業革命により,業務の圧倒的な省力化・無人化を実現する業務革新の波があらゆる業界に押し寄せている.なかでも,コンビニやスーパーなどに代表される小売業界におけるIoT・AI技術の活用への期待は大きい.近年,小売業界では労働人口の減少による労働力不足が深刻化しており,その対応策として店舗運営の省力化・無人化が喫緊の課題となっている.厚生労働省の調査(1)では,卸・小売業界において,人手不足と考える事業者の割合はここ数年で急増し,半数弱に上る.また最近ではオフィス内のミニ店舗など,そもそも無人運営を前提としたマイクロマーケット市場も急拡大している.これらのニーズに対して,最新のIoT・AI技術によって小売現場を業務改革する取組みが様々進んでいる.
小売店の店員の業務は多岐にわたるが,特に,決済業務(レジ精算)は店員への負荷が高く,決済無人化の期待が高まっている.本稿では,筆者らの決済無人化への取組みとして,最新の画像認識技術を用いてカメラから多数の商品を一括で認識することで,決済時に必要な商品読取りを大幅に効率化する画像認識POSレジの開発,及び実店舗での実証・運用について紹介する.まず2.では,決済省力化・無人化の業界動向を概観する.3.では,小売店で扱う多種多様な商品を画像認識する多種物体認識技術を紹介する.4.では,多種物体認識技術を用いた画像認識POSシステムの開発とその実証・運用について解説する.5.でまとめる.
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