ニュース解説 正信頼度データからの機械学習――負のデータがなくてもAIは未知データを正と負に分類する――

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Vol.102 No.5 (2019/5) 目次へ

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最近の新聞等で報道された技術情報を深める ニュース解説

◆今月のニュース解説

正信頼度データからの機械学習――負のデータがなくてもAIは未知データを正と負に分類する――

 Machine Learning from Positive-confidence Data:AI without Negative Data

電池で長時間駆動が可能な,インフラ監視向け無線メッシュネットワークシステムを開発

 Development of Battery-driven Wireless Mesh Network System for Infrastructure Monitoring

正信頼度データからの機械学習

――負のデータがなくてもAIは未知データを正と負に分類する――

 理化学研究所と東京大学は,データを正と負に分ける機械学習の分類問題に対して,正のデータとその信頼度(正信頼度)の情報だけから,分類境界を学習する手法を開発した.

 分類技術は,社会実装が最も進んでいる機械学習の一つであるが,従来は正のデータも負のデータも準備できることを前提としていた(図1(a)).しかし,この前提が満たされないケースが様々な場面で存在する.例えば,顧客が自社商品を購入するのか,ライバル商品を購入するのかを予測するという購買予測では,過去に自社商品を購入した例(正のデータ)は収集できるが,ライバル商品を購入した例(負のデータ)は収集できない.


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