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3. つながる工場・つながるキカイ
小特集 3-1
Cyber Physical Production System(CPPS)によるものづくりの変化と将来
State-of-the-art of Cyber Physical Production System (CPPS)
近年,ものづくり技術環境ではICT関連技術の進展が速く,第四次産業革命と呼ばれている,IoT(Internet of Things)環境下のスマートファクトリー(つながる工場)を実現するためのシステム化技術,要素技術,標準技術等の開発が活発化している.生産システム関連技術開発は,従来の企業間の開発競争に加え,国家的な開発競争領域となりつつある.加えて,Industrie4.0(ドイツ),IIC(Industrial Internet Consortium)(米国),IVI(Industry Value Chain Initiative)(日本)など,産学官連携による技術開発活動が活発化している.日本機械学会生産システム部門では,IoT環境下でつながった先にある,工場の将来展望を研究テーマとした「つながるサイバー工場研究分科会(CPPS: Cyber Physical Production System)」(主査:日比野浩典)の活動を2016年6月から2019年3月まで,約3年間実施した.参加者は本領域に知見を持つ産学官の専門家約40名である.本研究分科会ではCPPSのコンセプトと位置付けを明確にすることを目的とした.その際,2040年の生産システムを予測し,CPPSにおいて現状との技術的な差をバックキャスティングした,2019年3月に最終報告書(1)を作成した.本稿では,その要約として活動内容を記す.
本研究分科会では,CPPSを,生産システムを対象としたCyber Physical Systemであり,現実であるフィジカル(Physical)空間とコンピュータ上の仮想空間のサイバー(Cyber)空間とを連携して,ものづくりにおいて新たな価値を創造するものづくりマネジメントのためのシステム技術と定義した(図1).
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