小特集 4-2 自動運転におけるヒューマンファクタ

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Vol.102 No.6 (2019/6) 目次へ

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4. 車だけではない自動運転の未来

小特集4-2

自動運転におけるヒューマンファクタ

Human Factors of Automated Driving

綿貫啓一

綿貫啓一 埼玉大学大学院理工学研究科戦略的研究部門

Keiichi WATANUKI, Nonmember (Graduate School of Science and Engineering, Saitama University, Saitama-shi, 338-8570 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.6 pp.538-541 2019年6月

©電子情報通信学会2019,©2019一般社団法人日本機械学会

1.自動運転におけるHMI

 自動運転では,これまでドライバが行っていた認知,判断,操作をシステムが行うことから,システムの作動状況をドライバまたは乗員に知らせるとともに,ドライバのヒューマンファクタ(Human Factors)や状態をシステムに知らせるためのヒューマン・マシンインタフェース(HMI: Human-Machine Interface)を備えることが必要である.

 筆者らは,図1のように情報通信技術が自然な形で社会の中に溶け込み,人が意識せずに安全,安心,快適な生活ができるアンビエント社会を実現するため,ヒューマンファクタを考慮したHMI技術を研究している.また,人の脳機能を非侵襲的に計測する技術,人の意思を読み取り解析する技術を基に,人に優しいロボット技術と組み合わせ,運転操作などへのBMI(Brain-Machine Interface)応用を研究している.更に,視覚や触覚など五感に関わる情報をバーチャルリアリティ(VR: Virtual Reality)技術やロボット技術により提示し,言葉では伝えづらい技能を効果的に伝承できるシステムを開発している.このVR空間にドライバが入り,VR技術や拡張現実感(AR: Augmented Reality)技術により,システムとコミュニケーションを取りながら協調できるような環境を実現している.それ以外にも,脳科学や工学の知見を基に,人間の感覚・感性の定量的評価,触感や温熱的快適性などの定量的評価,疲労の定量的評価,周辺状況や操作の視認性・認知容易性の定量的評価,システムの質感・印象などの意匠性の定量的評価について研究を行っている(1)(4)


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