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2. 歴史的な文字・非文字データとICT
小特集2-2
人物データの分析
――江戸時代のデータブック「武鑑」の構造化と歴史ビッグデータ解析――
Analysis of Person Data: Data Structuring and Historical Big Data Analysis of Bukan as Data Books of the Edo Period
「武鑑」とは,江戸時代に出版された大名家及び幕府役人の名鑑である(1).大名家や旗本家の当主・その家族・その家臣に関する人物情報だけでなく,大名家の石高,参勤交代時期,家紋や纏のデザインなど,地理・経済・文化にわたる多種多様な情報を詰め込んだ,言わば江戸時代のデータブックである.「武鑑」は,17世紀中頃に出版され始め,慶応3年(1867)の大政奉還までの200年以上の間,出版され続けた本である.「武鑑」の出版物としての特徴は,①データベース的な性格を持つこと,②長期的に出版され続けたこと,③ロングセラーブックだったこと,④改訂頻度が高かったこと,などの点にある.時系列的に長期間更新され続けた資料の網羅的な解析を通して,人物や組織などに関する細粒度のファクトデータを積み上げれば,経時的な統合分析から江戸社会の新たな側面が明らかになる可能性がある.
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