講座 データ処理のためのプログラミング言語[Ⅰ]――Java言語編――

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講座

データ処理のためのプログラミング言語[Ⅰ]

――Java言語編――

Enjoy Data Processing[Ⅰ]: Java Language

石崎一明

石崎一明 日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所

Kazuaki ISHIZAKI, Nonmember (IBM Research-Tokyo, IBM Japan, Tokyo, 103-8510 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.6 pp.583-587 2019年6月

©電子情報通信学会2019


目次

1.は じ め に

 本稿では,データ処理との関わりを念頭に置きながらJava言語の特徴を説明する.Java言語の大きな特徴として,静的型付け(用語)オブジェクト指向(用語)言語,型安全性,言語によるスレッド(用語)サポート,メモリ管理機能,プラットホーム非依存かつ高性能,が挙げられる.これらについて概説した後,データの入出力・処理に関するコードの例とともに,言語の特徴を解説する.最後に,大規模データ処理フレームワークとJava言語の関係,近年のJava言語の変化や今後の方向性について触れる.

2.Java言語概要

 Java言語(1)は,1995年にSun Microsystems社(現Oracle社)が発表した言語である.現在も進化を続け,2018年12月時点で,最新バージョンはJava 11である.Javaの処理系は,Java Runtime Environment(JRE),Java Developers Kit(JDK),などと呼ばれる.1.で述べたJava言語の特徴は,2018年現在では,あって当然,というものが多い.しかし,Java言語発表当時としては先進的な試みが多く,広く実用的に利用される言語としては初めてとなる機能が採用された.

 Java言語は静的型付け言語であり,基本的に実行前にプログラムで使われる全ての変数の型(用語)が決定される必要がある.これは,最近よく使われているPythonやRubyのような動的型付け(用語)言語と大きく異なる点である.どちらにも利点があり,道具であるプログラミング言語は,実行するプログラムの目的によって使い分けるのがよい,と筆者は考える.


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