巻頭言 新しい運営体制下での基礎・境界ソサイエティの今後

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Vol.102 No.8 (2019/8) 目次へ

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巻頭言

新しい運営体制下での基礎・境界ソサイエティの今後 Future of Engineering Sciences Society under New Management System基礎・境界ソサイエティ会長 田口 亮

 2019年度から基礎・境界ソサイエティはその体制を大きく変えます.これまで,基礎・境界ソサイエティは運営委員会と幹事会の会議体制を取っていました.幹事会が独自に持つ審議事項はごく僅かであり,運営委員会の準備的な委員会としての位置付けで,実態は運営委員会のみでソサイエティ運営を行ってまいりました.運営委員会の委員の総数は70名に迫っていました.ソサイエティに関わるほとんど全ての事項を運営委員会で決定する必要があり,2時間程度・年4回の運営委員会では,報告事項と国内外の会議開催承認・報告に大部分の時間が割かれていました.例えば,「学会のコンテンツの活用」,「技術研究報告の電子化サービス」や「論文誌のオープンアクセス化」等に関しては,十分な議論が必要でありながら,その時間を取ることが困難な状況でした.今,岐路を迎えている学会運営の中,重要案件を慎重に議論し,かつ,迅速に決断するためには運営体制の変革が必要だったわけです.そこで,2019年度からはソサイエティレベルの議論を行う「運営委員会」とサブソサイエティ・研究専門委員会レベルの議論を行う「サブソ・研専会議」の階層構造的な運営体制へと改編しました.「運営委員会」においては,ソサイエティ運営に対する本格的な議論が可能となり,ソサイエティ独自の施策を打ち出しながら,ソサイエティ登録者数の減少傾向に歯止めが掛からない厳しい現状を打破することが可能になると考えています.

 基礎・境界ソサイエティは,新しいソサイエティをインキュベートするためのサブソサイエティ制を導入していることが他のソサイエティにない独自性です.基礎・境界ソサイエティ誕生からの大きな出来事は,サブソサイエティに絡むものであり,2010年度に情報理論とその応用学会が解散し,SITAサブソサイエティとして基礎・境界ソサイエティに合流したこと,そして,2014年度にNOLTAがサブソサイエティからソサイエティへと昇格を果たしたことが上げられます.NOLTAがソサイエティ化を図ったことは画期的なことで,基礎・境界ソサイエティと共同運営とはなっていますが,そのソサイエティ活動の独立性は担保されています.NOLTAソサイエティには研究分野の拡大,ソサイエティの認知度向上を通じてソサイエティ登録者増加を図って頂くことを希望しています.当然,基礎・境界ソサイエティとの共同運営を効果的に利用してシナジー効果を生み出すことも必要だと考えています.

 現在,基礎・境界ソサイエティには三つのサブソサイエティがあり,7研究専門委員会がその三つのサブソサイエティに属しています.一方,サブソサイエティに属していない研究専門委員会が13あり,数字上では,基礎・境界ソサイエティ内においてサブソサイエティ制が希薄になりつつあります.基礎・境界ソサイエティのスコープは広く,その意味からも近い分野の研究専門委員会間でサブソサイエティを構築することで“3本の矢”的な効果があると思っています.2019年度から「サブソ・研専会議」が組織され,研専間の意見交換もこれまで以上に密になります.「サブソ・研専会議」においては,基礎・境界ソサイエティの“新しいソサイエティを創造するスピリッツ”に基づき,ソサイエティ化を前提としたサブソサイエティの更なる活性化の議論や新たなサブソサイエティ構築のための議論を深めてほしいと考えています.


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