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小特集
グローバル科学社会シリーズ
――タイ編――
編集チームリーダー 松浦基晴
グローバル科学社会シリーズでは,様々な国の文化や国民性などの違いを踏まえながら,電子情報通信技術を軸として,教育や産業の分野において,お互いを理解するために必要なことや学ぶべきことを認識するために企画されている.また,海外経験の少ない若い会員,とりわけ,学生員にとっては,これまでに訪問したり,接したりすることのなかった国々の新しい情報を得るためのよい機会になることを期待している.
今回で3回目となるグローバル科学社会シリーズでは,1回目(2018年2月号)のインド編,2回目(2019年2月号)の英国編に続いて,タイを取り上げた.タイは,人口がおよそ6,900万人で,日本の1.4倍程度の国土を持つ国である.ビジネスの分野では,アジアの中でも比較的早い時期から多くの日系企業が進出を行っており,現在,日本の対直接投資においては,ASEAN(東南アジア諸国連合)の中においてもトップクラスとなっている.とりわけ,近年の電子情報通信分野におけるタイの発展は著しいものがあり,「ディジタルタイランド」という国家戦略を掲げ,社会・経済全ての領域で積極的なディジタル化の促進,通信インフラとそれに携わる人材育成の強化などを進めており,今後も更なる成長が期待されている.
本小特集では,現在,タイの国内外で活躍されている4人のタイ人研究者に,タイの国内事情や,海外との文化・生活・教育の違いなどを御執筆頂いた.最初に,Monai KRAIRIKSH氏には,タイにおける最近の情報通信技術(ICT)のトレンドや,産業界の動向と政府支援政策,更には,人材育成とその課題について述べて頂いた.Witoon YINDEESUK氏には,タイの教育システムとタイ国内における日系企業の事例などを紹介して頂いた.Nattapong KITSUWAN氏には,タイ・欧州・日本での御自身の勤務経験を基に,文化・教育・労働環境の違いを述べて頂いた.最後に,Praphan PAVARANGKOON氏には,現在行っているタイと日本との国際共同研究を通して得られた知見について述べて頂いた.
本小特集を通じて,一人でも多くの読者がタイのことをより深く知る機会となり,今後のタイとの国際交流の一助となって頂ければ幸いである.最後に,御多忙の中,御執筆頂いた執筆者及び翻訳者の皆様,編集チームメンバーの皆様,学会事務局の皆様をはじめ,本企画を進める上で御協力御支援頂いた皆様に深く感謝申し上げる.
小特集編集チーム
松浦 基晴 糸田 純 川喜田佑介 石原 智宏 井口 寧 衣斐 信介 今田 美幸 牛久 祥孝 掛谷 英紀 小林 由枝 塩田 茂雄 庄司 雄哉 白木 善史 關根 惟敏 高田 潤一 中村 祐一 西本 研悟 松嶋 功 茂呂征一郎 山中 直明 渡辺 正裕
本小特集の原文(英語)は,会誌オンライン版〈English〉で御覧頂けます
https://www.journal.ieice.org/index.php?lang=E
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