小特集 1. タイにおける最近のICT動向

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グローバル科学社会シリーズ──タイ編──

小特集 1.

タイにおける最近のICT動向

Recent Trends ICT in Thailand

Monai KRAIRIKSH(著) 高田潤一(訳)

Monai KRAIRIKSH 正員 キングモンクット工科大学ラカバン校工学部通信工学科

高田潤一 正員:フェロー 東京工業大学環境・社会理工学院

Monai KRAIRIKSH, Member(Department of Telecommunications Engineering, King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang, Bangkok, 10520 Thailand), translated by Jun-ichi TAKADA, Fellow(School of Environment and Society, Tokyo Institute of Technology, Tokyo, 152-8550 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.9 pp.846-849 2019年9月

©電子情報通信学会2019

abstract

 本稿ではタイにおける最近の情報通信技術(ICT)の動向を紹介する.現在の産業界の動向と政府の支援政策について述べた後に,人材育成とその課題について述べる.

キーワード:ディジタルタイランド,ディジタル経済社会開発計画,東部経済回廊,タイランド4.0

1.背      景

 ASEAN(用語)諸国の一つであるタイは人口6,620万人で,ASEAN総人口の10.35%を占めている.2017年現在,国内総生産(GDP)は4,550億米ドル,経済成長率は3.9%である(1).タイの産業は,安価な労働力による農業主体から,重工業,更には革新的な先端技術産業へと発展を遂げつつある.国家20か年戦略計画(2)では,高所得国への格上げ,不平等の是正,環境的に持続可能な成長と開発の促進の三つの目標を掲げている.

 政府は,2016年に採択したディジタル経済社会開発計画(3)が設定した国のディジタル開発の方針に従って情報通信技術(ICT)の開発を推進している.

 ディジタル経済社会開発計画では,ディジタル技術(訳注1)の建設的な利用を推奨することで,社会基盤,イノベーション,情報,労働力,その他の社会資源の潜在的能力を引き出し,政府の施策に沿った国家の経済・社会開発を安定,繁栄,持続性につなげることができる,としている.ディジタル経済社会開発計画では20年間を4期に分割し,各期の目標を,ディジタル基盤の整備,全セクタの参加によるディジタル経済・社会の到来,「ディジタルタイランド」に向けたあらゆる潜在力の改革,ディジタル技術によるタイの先進国入り,としている.ディジタル経済社会開発計画の六つの戦略は,①ハードウェア基盤,②ディジタル経済の加速,③ディジタル社会,④サービス基盤,⑤ディジタル労働力,⑥ソフトウェア基盤,である.


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