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解説
将来の状況の予測に基づくネットワーク制御技術
Dynamic Network Control Based on Prediction
abstract
スマートフォンやIoT機器など,様々な機器がネットワークに接続するようになり,ネットワークを流れる通信需要の変動は大きくなっている.状況変化が発生した場合であっても,必要な通信性能を維持するには,通信需要などの将来の状況を予測し,予測された状況に合わせてネットワークを制御することが有効である.本稿では,ネットワーク制御の概要と制御に利用可能な観測情報や制御対象について説明し,我々が検討を進めている新たなネットワーク制御手法を紹介する.
キーワード:ネットワーク制御,トラヒックエンジニアリング,予測,ネットワーク仮想化,資源割当
スマートフォンの普及やIoT機器の登場により,ネットワークに多数の機器が接続されるようになった.今後,更なるIoT機器や関連するサービスの登場が期待され,更に多くの種類のサービスを,各サービスの性能要求に合わせてネットワークに収容することが求められると考えられる.それらのサービスの需要は時々刻々変化するため,必要となるネットワークの資源量も時々刻々変化する.その結果,当初割り当てた資源では必要な通信性能が確保できない等の問題を生じる可能性がある.この問題を防ぐためには,各時刻の状況に合わせて,各サービスに必要な資源を割り当てることが必要となる.
この問題に対処する方法として,時々刻々の状況の変化に合わせて,ネットワークの構成や設定を動的に変更する技術の研究が進められている.ただし,状況の変化に合わせてネットワーク構成・設定を動的に変更する場合,現在の状況ではなく,将来の状況を予測して制御をしないと,資源不足等の問題発生後に対処を行う場当たり的な制御となってしまい,一時的な性能劣化を避けれないのみならず,ネットワークを不安定化させてしまう可能性もある.そのため,ネットワークの構成や設定の動的な変更は,将来の状況を予測し,予測に基づいて制御することが求められる.本稿では,このような将来の状況の予測と連携したネットワーク制御について紹介する.
図1に予測に基づくネットワーク制御の概要を示す.通信需要やネットワークを介したサービスへの需要は時々刻々変化する.ネットワーク制御技術では,その変化する需要に合わせて,ネットワークの構成,設定を動的に変更する.ネットワーク制御は,以下の手順を繰り返すことにより行われる.
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