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ハードウェアセキュリティの課題と展望
小特集 1.
ハードウェアセキュリティ研究分野の展望
Perspectives on the Field of Hardware Security Research
abstract
あらゆる機器がインテリジェント化される中,セキュリティの確保が重要となっている.また,ハードウェアはセキュリティ強化に効果的に活用し得る.すなわち,ハードウェア「の」セキュリティ,及び,ハードウェア「で」セキュリティ,の両面からの研究のニーズが高まっている.本稿では暗号等のセキュリティ機能の高速・低エネルギー実装,ハードウェアの耐タンパー性・真正性,人工物メトリクス,センサへの攻撃に対抗する計測セキュリティといった,セキュリティとハードウェアが絡む多様なテーマを扱うハードウェアセキュリティ分野について展望する.
キーワード:ハードウェアでセキュリティ,ハードウェアのセキュリティ,IoT,サイバーフィジカルセキュリティ
価値を創造する新たな情報社会を指し示す概念として,フィジカル世界における対象(人や組織を含む)や事象(活動を含む)を,計測によりサイバー世界におけるディジタルな対象や事象(ディジタルツイン)として把握し,分析・処理を行い,フィジカル世界の制御につなげるサイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System)(図1)や,その実現手段として,機器等に通信手段を組み込み,極めて多数の機器間の連携が行えるようにしたIoT(Internet of Things)という超分散システムが考案され,日々構築がなされつつある.
このため,サイバーフィジカルシステムの全てのプロセス(図2),すなわち,フィジカル世界あるいはサイバー世界からのデータの計測,その通信,蓄積,処理を踏まえた利用(フィジカル世界の制御を含む)と,その結果の確認,更には保守管理などの全ての側面に関し,適切なセキュリティが求められる時代が到来している.安全・安心で持続可能な未来社会を実現する上で,システム,サービスに対する悪意ある意図的な攻撃等の実態を解明し,有効な対策をとっていくことが求められている.
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