小特集 4. LSI設計・製造から見たハードウェアセキュリティの課題

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ハードウェアセキュリティの課題と展望

小特集 4.

LSI設計・製造から見たハードウェアセキュリティの課題

The Issues about Hardware Security in Term of LSI Design and Manufacture

成吉雄一郎

成吉雄一郎 ルネサスエレクトロニクス株式会社IoT・インフラ事業本部

Yuichiro NARIYOSHI, Nonmember (IoT and Infrastructure Business Unit, Renesas Electronics Corporation, Kodaira-shi, 187-8588 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.103 No.1 pp.51-56 2020年1月

©電子情報通信学会2020

abstract

 電子情報通信学会をはじめ情報セキュリティ関連の学会における暗号の発表では暗号の安全性評価のみならず,暗号の実装評価,サイドチャネル解析をはじめとしたタンパ攻撃,並びに対策など実用的な論文も数多く発表されている.一方,LSIの設計・製造を基にセキュリティソリューションに関するビジネスを行う半導体メーカにおいては,純粋な学術研究とは別の課題も抱えている.本稿では半導体メーカにおいてLSIの設計・製造を中心に耐タンパを実装する製品のセキュリティビジネスに関する課題を取り上げる.

キーワード:ハードウェアセキュリティ,サイドチャネル解析,耐タンパ,セキュリティ認証

1.は じ め に

 セキュリティをビジネスとする半導体メーカにおいては長年,暗号コプロセッサ,暗号ライブラリ並びにそれらを活用したセキュリティソリューションを提供している.その際,クレジットカードやパスポートに実装するLSIなど,セキュリティ情報を取り扱う製品向けのLSIの多くにおいて,ISO/IEC 15408(Common Criteria認証.以下CC認証と呼ぶ)をはじめとする第三者機関の評価によるセキュリティ認証を取得している.CC認証においては,評価機関によるぜい弱性攻撃の成否のみを認証の評価の対象としていない.ベンダなど開発者が作成したセキュリティターゲット文書を元に設計文書あるいは実チップでの評価のほかにも,製造検査,マニュアルなどのユーザ向け文書,構成管理をはじめとしたライフサイクルマネジメント,サイトセキュリティなども評価対象となる.

 本稿では前述のCC認証でのセキュリティ要求をはじめとしたセキュリティ認証スキームも参考に,セキュリティソリューションビジネスの実現に関係する以下の課題を取り上げる.

LSIの設計におけるセキュリティの課題

LSIの製造におけるセキュリティの課題

セキュリティ認証における課題

産学連携に関するセキュリティの課題

セキュリティビジネスの展開に関する課題

2.LSIの設計におけるセキュリティの課題


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