編集室

　＊　本号では「移動通信システムの発展と展望」というテーマで小特集が組まれています．先日，電車で前の座席に座っている人たちを見ていると，全員がスマートフォンを使っていました．音楽を聴いたり，動画像をみたり，漫画を読んだり，SNSで他の人と会話をしたり，行き先までの経路を調べたり，今では日常生活で，なくてはならない存在となっています．

　＊　このように，今では身近になった携帯電話，スマートフォンですが，1970年に開催された大阪万博で携帯無線電話機「ワイヤレステレホン」を初出展されてから，約50年の歳月が経過し大きな進化を遂げました．今回の小特集では，第1世代・第2世代移動通信方式から移動通信システムの将来展望まで，技術発展の変遷が解説されています．移動通信システムは，端末技術，無線技術，ノード構成技術と多くの技術が融合してEnd-Endのサービスを実現しています．音声通話からiモード等のデータ通信へと，端末もスマートフォンへと進化し，多くの技術革新が移動通信をより身近なものに，日常生活をより便利にするために活用されています．

　＊　IoTの時代には，ものとものをつなぐ通信手段としても移動通信が多く利用されていくはずです．農業，交通，医療，多くの産業で活用される移動通信の技術は，人の生活を変える時代から，産業構造を変える時代へと活用の幅を広げていくのではないかと期待しています．日常生活の中で使う通信手段から，産業を支える社会基盤として発展している50年後の未来に思いをはせながら，本小特集の記事に目を通して頂けたら幸いです．

（編集理事　川端明生）