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Vol.103 No.3 (2020/3) 目次へ

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 * 本号では,次世代のコンピューティング技術について,小特集として取り上げました.量子力学的な効果を利用した量子アニーリングによる手法や,量子ビットをどのような方法で実現するか,どのような方式で量子計算を実現するか,また量子技術と深く関連するイジングモデルでの計算についてなど,様々な観点から次世代の計算への取組みを御執筆頂きました.

 * 時間のベクトルを逆方向に向けて,コンピュータのれい明期からに思いをはせると(私自身は書籍やテレビ,映画,Webなどを通じた追体験ですが),いかにして記憶を実現するか,いかにして計算をするか,様々な取組みがされてきました.水銀遅延線などの遅延記憶装置,磁気コアメモリ,トランジスタといった発展の歴史は,新しいアイデアで方式を創出し,具体的に動かすための試行錯誤の繰返しの歴史とも言えます.また,アナログ計算機,リレー式計算機,真空管式計算機,パラメトロン式計算機などのアプローチの多様性は,研究開発に携わった人々の発想の豊かさの表れと言えます.(私は,手回し計算機やバベッジの階差機関といったメカニカルなものも大好きです.)

 * コンピュータのれい明期から,ハードウェアに対する取組みだけでなく,チャーチ=チューリングのテーゼなどに見られる「計算とは何か」の理解への取組みや,「計算」を活用した新しい世界の実現への取組みがされてきました.こうした不断の努力の積み重ねが未来へとつながっているとの思いを新たに,次世代の計算に向き合いたいと思います.

(編集特別幹事 堀山貴史) 


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