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Vol.103 No.4 (2020/4) 目次へ

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 * 今回の小特集では高精度な周波数標準について取り上げました.周波数標準といっても,余り身近に感じられない読者の方も多いのではないでしょうか.私もその一人だったのですが,本小特集を読むと様々なシーンで周波数標準の活用が期待されていることが分かります.現代の周波数標準では複数の「時計」をリンクさせて使うことがポイントだそうです.小特集の冒頭にも狩猟採集社会と農耕社会の例えを用いて複数の時計をリンクすることの重要性が説かれています.時刻があることで人類は大規模な集団が互いに協力しながら共同作業を行うことが可能となりました.

 * また,周波数標準は正確な時刻を生成するだけでなく,測量分野でも活用されています.スマートフォン等に搭載されているGPSも周波数標準が活用されています.ただ,GPSの誤差は受信側の時計の精度の問題もあり,数十mの誤差が発生する場合もあるようです.次世代の周波数標準である光格子時計を用いることでcmレベルの精度が期待でき,火山活動など様々な場面での活用が期待されています.本小特集を御一読頂き,理解を深めて頂ければと思います.

 * 解説記事ではプロジェクションマッピングを取り上げています.各種イベントやアミューズメント施設などで皆さんにも身近なプロジェクションマッピングが技術的な観点で体系的に整理されています.私もこれまで体験したプロジェクションマッピングというと建造物や屋内の壁など動かない対象に投影したものがほとんどでした.最近では,人の顔など複雑で変化する形状への適用に向けた研究も進んでいるようです.プロジェクションマッピングという技術の奥の深さ,広がりを感じて頂ければと思います.

(編集特別幹事 宮村 崇) 

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