特集 3-8 不揮発性メモリを用いたAIチップの実装技術

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.103 No.5 (2020/5) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


特集 3-8 不揮発性メモリを用いたAIチップの実装技術

河野和幸 パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社 半導体ビジネスユニット

Kazuyuki KOUNO, Nonmember (Semiconductor Business Unit, Panasonic Semiconductor Solutions Co., Ltd., Nagaokakyo-shi, 617-8520 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.103 No.5 pp.543-548 2020年5月

©電子情報通信学会2020

abstract

 人工知能(AI)が近年注目されているが,AI処理を行うためのハードウェアの消費電力が大きな課題となっている.この課題を解決するための技術として,ニューロモルフィックコンピューティング,あるいはインメモリコンピューティングと呼ばれる不揮発性メモリを用いた非ノイマン形AIチップが近年注目されている.本稿では不揮発性メモリを用いたAIチップの動作原理と特長,及び筆者らの研究グループが開発した抵抗変化形メモリ(ReRAM)を用いたAIチップの回路実装技術とその性能について述べる.

キーワード:不揮発性メモリ,AIチップ,抵抗変化形メモリReRAM,ニューロモルフィックコンピューティング,インメモリコンピューティング

1.ま え が き

 あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)時代が到来し,機器自身が知能化して認識,予知,判断を行うための技術として,近年,人工知能(AI: Artificial Intelligence)が注目されている.AI技術はクラウド側での処理に加え,最近ではエッジ側への実装も広がっており,特に機械学習を用いた深層ニューラルネットワーク(DNN: Deep Neural Network)の開発が盛んである.AI演算は大量の積和演算が必要であり,CPU(Central Processing Unit),GPU(Graphics Processing Unit)をはじめとするディジタル回路を用いたノイマン形アーキテクチャの半導体チップが使用されるが,消費電力が大きな課題となっている.本稿ではAI演算の大幅な低消費電力化を実現する技術として近年注目されている,ニューロモルフィックコンピューティング(Neuromorphic Computing),あるいはインメモリコンピューティング(In-memory Computing)と呼ばれる非ノイマン形アーキテクチャの不揮発性メモリを用いたAI技術について述べる.

2.不揮発性メモリを用いたAI技術

 本章では不揮発性メモリを用いたAIチップの動作原理と特長について説明する.

2.1 不揮発性メモリのAI応用


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録

  

電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。