編集室

Vol.104 No.3 (2021/3)　目次へ

編集室

　＊　本稿を執筆している1月11日現在，1都3県に緊急事態宣言が出されており，昨年来のコロナはいまだ終息の兆しがありません．医療機関の方々には必死に御対応頂いており，本当に頭が下がる思いです．

　＊　こうした中，私たちの専門分野であるICTを使って医療現場を助けようという事例も多々あります．例えば，テレビ会議ソフトウェアとスマートグラスを組み合わせることで，集中治療室の医師の視点をチームで共有したり記録したりすることができます．また，通信機能付きのバイタルセンサを使って，患者の各種数値を離れたところからモニタリングしながら，リハビリ指導をすることができます．更に医療とは少し離れますが，外出を控えるためにデリバリーの活用が増えており，自動デリバリーロボットのトライアルも急激に増えてきました．

　これらは，従来から存在した技術ではありますが，コロナ禍となって一気にニーズが高まり，活用が広がっていると言えましょう．逆に言うと，以前から綿々と研究開発されていたからこそ，急なニーズにも対応できたということですね．

　＊　今回のパンデミックもそうですが，東日本大震災，東南海地震，富士山噴火等，長い歴史の中では周期的に必ず発生している災害があります．これらに対し，「電子情報通信」学で貢献できることは多いはずですが，大事なのは事前の備え，先取りした研究開発です．「災害は忘れたころにやってくる」ものですが，研究開発のこの姿勢だけは絶対に忘れずに，今後も取り組んでいきたいものです．

（編集特別幹事　川田亮一）

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