小特集 6. 街角環境におけるコミュニケーションロボット

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コミュニケーションロボットの現状

小特集 6.

街角環境におけるコミュニケーションロボット

Communication Robots in Public Space

佐竹 聡 神田崇行

佐竹 聡 (株)国際電気通信基礎技術研究所深層インタラクション総合研究所

神田崇行 正員 京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻

Satoru SATAKE, Nonmember (Deep Interaction Laboratory Group, Advanced Telecommunications Research Institute International, Kyoto-fu, 619-0288 Japan) and Takayuki KANDA, Member (Graduate School of Informatics, Kyoto University, Kyoto-shi, 606-8501 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.104 No.4 pp.319-325 2021年4月

©電子情報通信学会2021

Abstract

 これまでに筆者らは街角でのコミュニケーションロボットの研究開発を進め,実空間の様々な情報を親しみやすく分かりやすく提供する道案内サービス,客引きサービス,ビラ配りサービスなどについて実証実験を行ってきた.このために人位置計測技術や混雑緩和のための予測技術などを実現してきた.いずれのサービスも多くの利用者に好意的に利用されたが,これらの取組みの中から,「モラルインタラクション」においてはまだ課題が残ることが分かってきた.

キーワード:コミュニケーションロボット,街角環境,モラルインタラクション

1.は じ め に

 街角でのコミュニケーションロボットの応用例と,それらを支える技術群の紹介を行う.人々の行き交う街角環境でのサービスには,周囲の人々にとって自然かつ邪魔にならない振舞いをロボットが行う必要がある.人々の行動をモデル化し,ロボットへと再現することで,街角においても効果的なロボットサービスが実現可能となってきた.本稿では,道案内サービス,客引きサービス,ビラ配りサービスの三つの応用例を紹介する.

 上記応用例を実現する中で,「ロボットいじめ」のように,ロボットに対する低モラル行動が起きる様子が観察されている.これ以外にも人々の低モラル行動に働き掛けるモラルインタラクションには,未解決な課題が多く残されている.そこで,本稿ではモラルインタラクションへの取組みと,街角のコミュニケーションロボットへ残された課題を紹介する.

2.道案内サービス

 商業施設内の道案内は,コミュニケーションロボットの応用例の一つである(図1).発話に加えて,視線や指差しを用いることで,自然で分かりやすい道案内を提供する.また,環境内を移動し,周囲の人々にとっても邪魔にならない場所で,サービスを必要とし得る人に話し掛け,道案内を行う.このようなサービス提供に必要となる一連の技術を実現した.

図1 道案内サービスの実施例


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