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グローバル科学社会シリーズ――エジプト編――
小特集 1.
教育環境
――エジプトの高等教育――
Academic Environment: Higher Education in Egypt
Abstract
本稿は,エジプトの高等教育システムにおける教育・研究環境について紹介する.具体的には,高等教育の定義,各利害関係者からの観点,及び,偏りのなく効率的で公正なシステムとするための最良のシナリオは何かについて述べる.
キーワード:エジプト,教育環境,大学,IBCs,E-JUST
「理想的な」教育・研究環境とは,学生が将来の職業人生に対して最良の備えができるようにし,学生が知識を生み革新に励みつつ,自己啓発に努め,心身的・社会的快適さを得ることに貢献し,かつ地域社会サービスと交流を促すものである(1).このためには,利害関係者,規制,資源,交流に対応する取組みが必要である.
エジプトには,高等教育を担う様々な種類の大学や機関がある.公立大学として27校の国立大学と各州市町村に設立されたアル・アズハール大学がある.私立大学としては29校ある.その内訳は,非営利のアハレヤ大学(2010年以降に3校,2020年に新たに4校設立され,今後10校の設立を予定),及び,外国政府との協定で設立された大学が6校(エジプト日本科学技術大学(E-JUST)やカイロにあるアメリカ大学(AUC)が相当),及び外国との直接契約に基づく大学(エスルスカ(Eslsca)やゴナにあるベルリン工科大学が相当)と国際ブランチキャンパス(IBC)が3校ある.そのほかに,技術系の高等教育機関として,高等工科専門学校169校と技術短期大学があり,更に工科大学(Technical University,2019年に3校が設立され,6校が準備中)がある(2).高等教育機関の種類と学生数をそれぞれ表1に示す.
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