編集室

　＊　新しい年度の始まる4月を迎えて読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか．2020年度を振り返ると，2020年4月の緊急事態宣言を受けて，在宅での勤務や学習を余儀なくされるなど，それまでの生活スタイルが大きく変わった1年でした．筆者自身も大学の講義は全てオンライン，期末試験もオンラインで実施するなど，それまでの教育スタイルを大きく変えざるを得ませんでした．オンライン教材が充実した結果，学生の理解度が高くなった面もありますが，学生の反応が得られない難しさもありました．研究室の学生の指導もほとんどオンラインとなり，きめ細かい指導が難しいなど，コミュニケーション不足を痛感する1年でした．さて，本4月号の小特集では，「コミュニケーションロボットの現状」と題して，人とロボットのコミュニケーションに焦点を置いた内容をお送りしました．コロナ禍で制限が多い人と人との間のコミュニケーションの新しい有り様を模索する上で，人と機械とのコミュニケーションを考えることは従来とは異なった価値があるのではと思います．幅広い会員の方にこのような観点からも興味を持って記事を御一読頂ければ幸いです．

　＊　この編集室は2回目の緊急事態宣言下で執筆しています．一時の感染拡大は収まりつつあり，編集室が出版される4月には状況はずっと改善していると期待できます．ワクチンの接種も開始されているでしょうから，読者の皆様が2021年度の幕開けを新しい気持ちで迎えられることを心から願ってやみません．