電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
© Copyright IEICE. All rights reserved.
|
東北支部は,青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島の六つの県で構成される広さを生かして,ユニークな学会活動を進めています.2020年度は,新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から,活発な活動を行うことができませんでした.そのような中でも試行錯誤しながら活動を継続しました.今回は,学生による研究紹介,秋田県立大学の取組,東北支部学生学会活動貢献賞の創設,小中高生・学生員に向けた取組を紹介します.
東北支部では,多くの学生が興味深い研究テーマに取り組んでいます.その中から2020年度電気関係学会東北支部連合大会において電子情報通信学会東北支部学生優秀論文賞を受賞した学生に自身の研究テーマを紹介してもらいました.
私は,合成開口レーダ(SAR: Synthetic Aperture Radar)で撮影されたレーダ画像の処理とステレオビジョンを組み合わせて地表面の三次元形状を計測する研究を行っています.ステレオビジョンは,人間の視覚と同様に三角測量を使って対象までの距離を測る技術です.ステレオビジョンを使うためには,(ⅰ)SAR画像間の対応関係を求めること,(ⅱ)SARの投影モデルを定義すること,(ⅲ)SARアンテナの位置を定めることが重要になります.本研究では,(ⅱ)と(ⅲ)を中心に三次元計測の高精度化を行いました.従来手法では,地球を平面で近似したモデルを使っていました.そのため,大きな誤差が生じる場合がありました.提案手法では,地球がだ円体であることを考慮したモデルを使いました.また,高精度にアンテナ位置を求めるために,画像全体の対応関係を用いて最適化を行いました.これらの高精度化によって今までよりも高精度に三次元計測を行うことができるようになりました.今後も高精度化を進め,地震や噴火などの大規模災害時の被災地の観測に本研究を生かしたいと考えています.
(東北大学大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻 Insfran Karl)
続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード