小特集 3-1 ICT技術を活用した学習環境デザイン

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.104 No.8 (2021/8) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


3.利用者側の視点  
──コンピュータを用いた学習支援技術の活用――

小特集 3-1

ICT技術を活用した学習環境デザイン

Design of Learning Environments Using Information and Communication Technologies

山内祐平

山内祐平 東京大学大学院情報学環

Yuhei YAMAUCHI, Nonmember (Interfaculty Initiative in Information Studies, The University of Tokyo, Tokyo, 113-0033 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.104 No.8 pp.879-883 2021年8月

©電子情報通信学会2021

Abstract

 ICT技術を活用した学習環境について,筆者が行った研究プロジェクトを事例として解説する.モバイルラーニング/アクティブラーニング/ソーシャルラーニング/反転学習/プロジェクト学習におけるICT技術の利用パターンとその成果について報告し,学習環境デザインのポイントとして,ICT技術から学習につなげるために人工物・活動・共同体の観点から価値連鎖を作ることが重要であることを指摘した.

キーワード:ICT技術,学習環境,デザイン,価値連鎖

1.は じ め に

 コロナ禍によってICT技術を活用した学習環境の在り方が焦点になっているが,それ以前からICT技術を活用した学習環境のデザインについては研究が行われてきた.本稿では,筆者が2020年に上梓した「学習環境のイノベーション」(1)を引用しながら,ICT技術を活用した学習環境デザインの在り方についてまとめる.

2.学習環境とは

 ICT技術を活用した学習環境については,教育工学や学習科学などの領域においてCAI(コンピュータ支援学習:Computer Aided Instruction),マルチメディア教材,CSCL(コンピュータ支援による協調学習:Computer Supported Collaborative Learning)などの研究が蓄積されてきた.「学習環境のイノベーション」では,先行研究を整理しながら,学習環境を空間・人工物・活動・共同体の4側面に分類している(図1).

図1 学習環境の4側面

 教室や図書館などの学習空間や,書籍やタブレットなど学習に用いられる人工物は,物理的学習環境である.一方,学習コミュニティやそこで行われる学習活動は,社会的学習環境と捉えることができる.

3.人工物としてのICT技術


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録

  

電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。