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3.利用者側の視点
──コンピュータを用いた学習支援技術の活用――
小特集 3-1
ICT技術を活用した学習環境デザイン
Design of Learning Environments Using Information and Communication Technologies
Abstract
ICT技術を活用した学習環境について,筆者が行った研究プロジェクトを事例として解説する.モバイルラーニング/アクティブラーニング/ソーシャルラーニング/反転学習/プロジェクト学習におけるICT技術の利用パターンとその成果について報告し,学習環境デザインのポイントとして,ICT技術から学習につなげるために人工物・活動・共同体の観点から価値連鎖を作ることが重要であることを指摘した.
キーワード:ICT技術,学習環境,デザイン,価値連鎖
コロナ禍によってICT技術を活用した学習環境の在り方が焦点になっているが,それ以前からICT技術を活用した学習環境のデザインについては研究が行われてきた.本稿では,筆者が2020年に上梓した「学習環境のイノベーション」(1)を引用しながら,ICT技術を活用した学習環境デザインの在り方についてまとめる.
ICT技術を活用した学習環境については,教育工学や学習科学などの領域においてCAI(コンピュータ支援学習:Computer Aided Instruction),マルチメディア教材,CSCL(コンピュータ支援による協調学習:Computer Supported Collaborative Learning)などの研究が蓄積されてきた.「学習環境のイノベーション」では,先行研究を整理しながら,学習環境を空間・人工物・活動・共同体の4側面に分類している(図1).
教室や図書館などの学習空間や,書籍やタブレットなど学習に用いられる人工物は,物理的学習環境である.一方,学習コミュニティやそこで行われる学習活動は,社会的学習環境と捉えることができる.
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