編集室

　＊　気付けばお盆も過ぎ，夏も終わりとなりました．我が家では，妻の実家がある新潟県長岡市に赴き，義父母に孫の顔を見せることを夏の恒例行事としていました．日本三大花火大会に数えられる長岡花火も楽しみの一つでした．しかし，新型コロナウイルスの影響でこの二年間は会えずじまい，花火大会も昨年に続き中止となりました．

　＊　毎年の帰省で義父母と顔を合わせて，元気にやっているか，住居環境等で何か不具合が起こっていないかと確認していましたが，それもできておりません．周囲と連絡を取りやすいようにとスマートフォンを渡してはありますが，高齢者は指が乾燥しがちで，タッチ操作もうまくできず，使いこなすのはなかなか難しいようです．その結果，コミュニケーションの機会も減り，引きこもりがちになっているようです．義父母に限らず，シニア世代全般的に，感染リスクを避けるため，外出自粛への意識が強く働いており，孤立しがちと聞きます．独居高齢者が誰にもみとられず死亡し，その後の検査で新型コロナウイルスに感染していたことが判明したというニュースも耳にします．

　＊　本9月号では，独居高齢者のための見守り機器の動向についての解説記事を掲載しております．高齢者を含む「新しい生活様式」を支えるICT技術について，我々研究者・技術者がどう貢献できるか，再考の一助となれば幸いです．今後のICT技術の進展により，一人でも多くの高齢者が助かることを願っております．