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アンデスの声が聞こえる

Reach Beyond the Equator

大平 孝

大平 孝 正員:フェロー 豊橋技術科学大学未来ビークルシティリサーチセンター

Takashi OHIRA, Fellow (Research Center for Future Vehicle City, Toyohashi University of Technology, Toyohashi-shi, 441-8580 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.1 pp.63-68 2022年1月

©電子情報通信学会2022

1.赤道を超えて

 日本のはるか南方,豪州カナナラ村から電波が発射されている.リーチビヨンド放送:通称「アンデスの声」だ(1).地図を図1に示す.日本本土まで5,000kmを超える行程.果たして電波ってこんなに遠方まで届くものだろうか.日頃WiFiやブルートゥースに慣れ親しんでいるディジタル世代のネットユーザにとって,赤道を超える電波伝搬など想像し難い夢物語かもしれない.

図1 赤道超えの遠距離行程

 もしこの電波を日本で受信するとなると,大形屋外アンテナとプロ仕様のスーパヘテロダイン受信機を用いるのか.さにあらず.ここでは学生皆さんが在宅で自作できるアンテナとアナログ電子工作で赤道超えの電波受信にチャレンジする.

2.電波は曲がる

 自由空間において電波は直進するという性質がある.一方で,図1に示した経路は直線ではない.なぜなら地球が平面ではないからだ.では曲がった空間を電波はどのように進むのだろうか.答えは図2に示す縦断面図にある.地面と電離層で囲まれた空間内を上下に繰り返しリバウンドしながら伝わっていく(2).このスキームで電波が地平線を超えて見通し範囲外まで届くのだ.海外放送は電離層という宇宙の自然現象を賢く活用している.

図2 電波は地平線を超えて(2)


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