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5.サイバーセキュリティ
東京2020大会のサイバーセキュリティの総括
Summary of Cyber Security Activities at the Tokyo 2020 Games
オリンピック・パラリンピック競技大会は,全世界から注目を浴びる大会であり,毎大会,多種多様なサイバー攻撃を受ける.一方,年々クラウド環境の拡大などのITの多様な活用が進み,サイバーセキュリティリスクをコントロールしにくい状況となっている.組織委員会のサイバーセキュリティチームが大会関係者の環境を含め,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の関連システム全体に関するサイバー脅威について,どのように考え,どのようにアプローチし,どう向き合ったのか,また政府や関係者も含めた取組みが今後の日本にとってどのようなレガシーとなったかを紹介する.
キーワード:東京2020大会,サイバー攻撃,セキュリティガバナンス
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)は,新型コロナウイルス感染症による影響(以下,コロナ禍)を受け,ほとんどの会場で無観客開催とせざるを得ない状況ではあったが,国際オリンピック委員会(IOC: International Olympic Committee)から発表されたとおり,世界で30億5,000万のユニークビューワがテレビやディジタルプラットホームで大会を視聴し,新たな技術とディジタルイノベーションによってより多くのファンが競技に“参加(interact)”する,これまでで最もengagedな大会となった(1).コロナ禍において競技を行い,ディジタルプラットホームを通じて全世界からの参加を得て大会を開催するためには,サイバーセキュリティの確保は不可欠であった.オリンピック・パラリンピック競技大会では,過去にも運営に影響を及ぼしかねない多くのサイバー攻撃が観測されており,東京2020大会でも大会期間中に計4.5億回のセキュリティイベントを観測し,それを遮断するに至った.
組織委員会では設立当初からサイバーセキュリティ対策を重要課題と捉えており,大会史上初めて専属メンバによる独立した部署であるサイバーセキュリティ部を編成し,更にCISOを長として組織委員会の各局を横通しで連携するセキュリティオペレーションセンタ(SOC: Security Operation Centre)の体制を構築した.本稿及び以降の記事では,サイバーセキュリティ部とSOCを合わせてサイバーセキュリティチームと表記する.
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