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5.サイバーセキュリティ
東京2020大会におけるサイバー攻撃とその対応
Responding to Cyber Attacks during the Tokyo 2020 Games
オリンピック・パラリンピック競技大会では,過去においても大会運営に影響を及ぼしかねないサイバー攻撃が多数観測されている.東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においても多数の攻撃が観測され,大会期間に数的なピークを迎えた.本稿ではそれらの中から代表的な事例を取り上げるとともに,組織委員会が準備期間に積み重ね成熟させてきたセキュリティソリューションとオペレーションによって,この攻撃に対してどのように対応したかについて述べる.
キーワード:東京2020大会,サイバー攻撃,セキュリティオペレーション
本特集5-4「東京2020大会を支えるセキュリティオペレーション」において述べたとおり,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)では大会本番に向けてセキュリティオペレーションを成熟させてきた.サイバー攻撃は準備期間の早期から継続的に観測され,サイバーセキュリティチームによる対応が実施されてきたが,その量は大会期間にピークを迎え,大会期間中において計4.5億回のセキュリティイベントを観測した.
本稿では,大会期間中に実施したセキュリティ対応について代表的な事例を示すとともに,サイバーセキュリティチームがどのように対応し,大会を守り切ったかについて述べる.
テクノロジーオペレーションセンタ(TOC: Technical Operations Centre)内に設置されたセキュリティオペレーションセンタ(SOC: Security Operations Centre)では,オリンピック大会開会式の1か月前から順次,スタッフの増員と運用時間拡大が行われた.SOCの運用体制は,オリンピック大会開会式の2週間前から本番体制となり,総勢約130名のスタッフで3直2交代制の24時間体制で運用された(図1).パラリンピック大会期間中は,オリンピック大会期間中に比べてスタッフ数及び運用時間を縮小し運用された.
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