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5.サイバーセキュリティ
東京2020大会のセキュリティオペレーションへの国研の協力
Cyber Security Cooperation of National Institute to Support the Tokyo 2020 Games
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では大会関連システムのサイバーセキュリティの確保が最優先課題であったが,同時に日本の政府官公庁や地方公共団体,重要サービス事業者など,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に様々な形で関わった組織のセキュリティ対策も重要課題であった.本稿では,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への協力として,国の研究機関である情報通信研究機構が実施したサイバー攻撃観測の概要と大会期間中の観測結果について概説する.
キーワード:東京2020大会,DAEDALUS,AmpMon,STARDUST,Threat Intelligence
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)では大会関連システムのサイバーセキュリティの確保が最重要課題であったが,同時に大会期間中における日本の政府官公庁や地方公共団体,重要サービス事業者など,東京2020大会に様々な形で関わった組織(大会関係組織)のセキュリティ対策も重要課題であった.本稿では,内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を中心とした大会関連組織のセキュリティ対策のための取組みを概観するとともに,東京2020大会のセキュリティオペレーションへの協力として,情報通信研究機構(NICT)が実施したサイバー攻撃観測の概要と,大会期間中の観測結果について概説する.
なお,本稿の観測結果は,本特集の他の記事に記載されている組織委員会での監視や分析とは独立してNICTで観測したものである.検知した事象は組織委員会にも共有し,取りまとめられ,組織委員会と異なる視点でも大会運営に影響がないことが入念に確認された.
2015年にNISCの副センター長を座長として,「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会におけるサイバーセキュリティ体制に関する検討会」(通称,オリパラ体制検討会)が設置され,関係省庁の課長級を構成員として,分野横断的に大会に関わる重要サービス(注1),(1)の安定的な供給に向けた総合的な対策を推進するための体制の検討が開始された.
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