特集 6-1 東京2020大会におけるテクノロジー運営の総括

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.105 No.8 (2022/8) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


6.大会運営・オペレーションセンタ

特集 6-1

東京2020大会におけるテクノロジー運営の総括

Summary of Technology Management and Operation in the Tokyo 2020 Games

吉田忠城 嘉斎英男 山口和彦

吉田忠城 嘉斎英男 山口和彦 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会テクノロジーサービス局

YOSHIDA Tadashiro, KASAI Hideo, and YAMAGUCHI Kazuhiko, Nonmembers, Technology Services Bureau, The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games.

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.8別冊 pp.1063-1067 2022年8月

©電子情報通信学会2022

abstract

 オリンピック・パラリンピックは取り扱う機器数や人的リソース数において世界的に最も大規模なテクノロジープロジェクトの一つである.また,世界各国から集まるスタッフが運営を行うグローバルプロジェクトでもあり,各技術分野において数多くの関係会社が関与している.本稿ではテクノロジー運営の観点から,プランニング(計画策定段階),オペレーショナルレディネス(大会準備段階),及びオペレーショナル(大会運営段階)の三つのフェーズにおける活動を述べる.

キーワード:東京2020大会,テクノロジー運営,オペレーションセンタ,テストイベント,COVID-19

1.ま え が き

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)では43の競技会場を含む190の会場において,競技計測や競技結果配信,電子判定や放送のための映像・音声配信,大会運営のための情報システムなどの様々なテクノロジーサービスが提供された.オリンピック・パラリンピックにおけるテクノロジーの運用の難しさとしては以下の2点が挙げられる.一つ目は,PC 1万7,000台,ネットワーク機器1万6,000台,テクノロジーの運用スタッフ1万5,000人に代表されるように極めて大規模な点である.二つ目は,競技計測スタッフのように過去大会経験者もいるが,ほとんどのスタッフにスポーツイベントの経験がない点である.組織としてオリンピック・パラリンピックに対して知識のない状態から始まり,更に,国内外の多くのスタッフが大会直前になって加わるといった状況から,大会の成功に向けてテクノロジーを運営していくことは大きな課題であった.

 高品質なテクノロジーサービスの提供に大きく寄与したのが,テクノロジーオペレーションセンタ(TOC: Technology Operation Centre)を基点とした強固なガバナンス,及び機器配備センター(EDC: Equipment Deployment Centre)での標準化された機器設定,テクノロジーコールセンタ(TCC: Technology Call Centre)をファーストコンタクトとする分かりやすいインシデント管理プロセスであった(1).これら各センタの詳細については本稿に続く各記事に譲り,本稿ではテクノロジーの運営全体を総括する.


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録

  

電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。