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6.大会運営・オペレーションセンタ
東京2020大会のテクノロジーサービスマネジメントとコールセンタにおけるインシデント対応
Technology Service Management and Incident Response Performed by Technology Call Centre of the Tokyo 2020 Games
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では過去大会に倣い,に基づいた管理プロセスに従ってテクノロジーサービスを大会関係者に提供した.特にサービス品質に関しては,競技運営など重要なイベントに迅速な対応ができるように,様々な種類のサービスに対して統一したSLAを設定した.また,顧客に相当する大会関係者のテクノロジー問合せ受付窓口となるテクノロジーコールセンタを設けることで,集中管理による対応の均質化と対応品質の向上を目指した.
キーワード:東京2020大会,サービスマネジメント,インシデント対応,コールセンタ
東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)は約1か月半の期間を通じて,計55競技・878種目を催した.これはスポーツイベントとしては他に類を見ない規模である.本稿では,この大規模イベントを支えるテクノロジーのサービスマネジメント及びインシデント(用語)マネジメントについて,その概要を記す.
東京2020大会では大会前から開催期間を通して,アスリートに始まり,各国競技団体・国際競技団体関係者,放送,メディア・プレスといった報道機関関係者など約40万人の大会関係者が参加した.これらの顧客に相当する大会関係者に品質の高いITサービスの提供と適切なインシデント対応を実現するため,過去大会に倣い(用語)に基づいた管理プロセスを東京2020大会でも採用した.具体的には,まず体制面ではITサービスの運用部門であるTechnology Functional Area(TEC FA)を3階層に区分けした.第1層はITに関する全ての事案に対する単一の窓口として,電話・Eメールからの問合せを受け付けるテクノロジーコールセンタ(TCC: Technology Call Centre)を配置した.第2層は競技会場など約190の大小様々な会場・施設・拠点に配置され,大会関係者との対面対応や問題のある対象機器など実機に対しての操作を分担するベニューITチームを配置した.そしてこれら第1層・第2層と連携しテクノロジーについて大会全体を制御するテクノロジーオペレーションセンタ(TOC: Technology Operation Centre)(1)を第3層に配置した(図1).
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