ニュース解説 磁気インピーダンス素子による高感度・低消費電力な磁気センサを開発──入力換算雑音10pT/√Hz,信号帯域幅33kHz,2.6mWの消費電力を達成──

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Vol.105 No.8 (2022/8) 目次へ

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磁気インピーダンス素子による高感度・低消費電力な磁気センサを開発

――入力換算雑音10pT/math,信号帯域幅33kHz,2.6mWの消費電力を達成――

 産業技術総合研究所と愛知製鋼株式会社は,磁気インピーダンス素子(MI素子)に向けた計測用ASICを設計し,独自のディジタル自動補正技術等を用いることで,エネルギー効率を1,000倍以上改善した磁気センサを開発した.

 図1に本磁気センサの(a)センサヘッド部となるMI素子と信号波形の概略図,(b)計測用ASICのブロック図と(c)その動作波形を示す.同図(a)に示すように,MI素子はアモルファス合金ワイヤの周りにコイルを形成することで実現され,本ワイヤに高速な立ち上がりエッジを持ったパルス電流mathを通電することで,外部磁界mathに比例した誘導電圧mathをコイルの両端から得ることができる.このmathのピーク電圧をサンプリングすることで高感度な磁気センシングが可能となるが,低雑音,広帯域計測のためには,MI素子に通電してから誘導電圧をサンプリングするまでのタイミングmathを,ナノ秒精度で適切に設定しなければならない.更にmathは,製造したデバイスごとにばらつくため,従来,設計において一意的にこれを決定することは困難であった.


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