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2. 通信・無線・放送
大会用データネットワークに重畳したサービス等[Ⅰ]
――FAネットワークと大会関係者向けWi-Fi――
Services/Systems Provided over the Games Data Network[Ⅰ]: Functional-Area Networks and Wi-Fi for the Games Stakeholders
本稿では,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて,組織委員会の各組織(FA)が大会用データネットワークを利用して提供した主な大会運営システムの概要を,ネットワーク提供側の視点から説明する.また加えて,次稿(本特集2-5)で述べる通信サービス以外のシステム・サービスの準備等の事例や状況から,こうしたイベントにおける準備・運営の難しさの一端を示したい.
キーワード:FAシステム・ネットワーク,通信サービス,Wi-Fi接続サービス
既に別稿にて述べたとおり,大会用データネットワークは,競技結果の配信システムのためのネットワーク(CPN)と組織委員会の業務用ネットワーク(BON),及びそれ以外のネットワークに区分される.最後のものをOTNと呼び,主に各FA(Functional Area,機能組織)のシステムあるいはサービスのために必要となるネットワークは主としてここに重畳していた.本稿ではこのOTNに重畳したシステム・サービスについて説明する.これらのシステム・サービスの利用者により,大会用データネットワークは,オリンピック期間で最大約12万台,パラリンピックでは約6.4万台の情報機器が同時接続されていた(図1).
オリンピック・パラリンピックには,CPNで扱う選手情報や競技記録,判定結果などのシステムに加え,それらの結果や開閉会式などのイベント模様や瞬間を捉えて世界に配信する通信社のシステムから,アスリートの医療情報などを管理するシステム,電力の監視システム,チケット販売・管理システムなど,また一方で競技模様を映像で大会関係者にリアルタイムに伝えるCATVサービスや会場への入館カード(アクレディテーションカード)の情報と連携した大会関係者向けインターネットサービスなど,大会運営に直結する各FAのサービスが数多く存在した.
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