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2. 通信・無線・放送
大会用データネットワークに重畳したサービス等[Ⅱ]
――組織委員会の提供した通信サービス――
Services/Systems Provided over the Games Data Network[Ⅱ]: Telecom Services Offered by the Organising Committee
本稿では,東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会において組織委員会が大会用データネットワークを用いて提供した主な「通信サービス」の概要及び実績・成果を説明するとともに,それらの準備・構築において発生した問題を考察することで,今後同種のサービスをイベントで提供する際の視点を提供したい.
キーワード:大会向け通信サービス,Press Plus,ローカル5G,CATV,FMCサービス
大会用データネットワークの概要,主にその中のOTN(OCOG Technology Network)に収容したFAシステム向けのネットワーク,及び広く使われた基本機能であるWi-Fi接続については本稿の前に説明されている.ここでは続けて,以下の大会中に利用された通信サービスの幾つかについて,その設計や構築・提供状況を紹介していきたい.
主な通信サービス
・大会関係者用インターネット
・プレス向けVLAN(Press Plus)サービス
・CATV(Community Access Television)サービス
・IP固定電話,FMCサービス
・TV会議サービス用VLAN
・IOC職員用ネットワーク(オリンピックファミリーホテル)
・VLANコネクト(会場内,会場間VPN)
・グローバルIPアドレス付きインターネット など
大会を取材する大手プレスエージェンシーでは,カメラマンが各会場で撮影した写真をメインプレスセンタ(Main Press Center,以下MPC)に転送し,MPCで写真選別後に全世界のメディアに配信する形をとっている.この会場からMPCに写真を送るためのネットワークを「Press Plus」と呼び,通信帯域を確保したVPN(仮想のプライベートネットワーク)サービスを組織委員会が提供した(図1).IOC公認の国際通信社及び東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)の国内公式通信社の計10社がこのサービスを利用した.
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