電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
© Copyright IEICE. All rights reserved.
|
2. 通信・無線・放送
リモートアクセスの利用傾向と考察
Study of Usage Tendencies of the Remote Access Service
リモートアクセス環境は様々な働き方を支援し,本大会においても新型コロナウイルス感染症以降は大多数のユーザが日常的に使用した.このセッションログを調査すると,勤怠の実績や組織の稼働状態を把握して運用に活用できる.本稿ではログをイベント全体と個人に注目してカレンダー形式のヒートマップで示し,イベントの段階や曜日と祝日に関係するリモートアクセス利用状況の特徴と考察を述べる.
キーワード:東京2020大会,リモートアクセス,傾向分析,可視化
リモートアクセスは様々な環境に導入され,場所に縛られない働き方が実現されてきている.だが,リモートアクセス環境は利便性とともに侵入の水際になるリスクが内在し,運用では重点的に監視すべき点となる.本大会のような大規模イベントでは,準備の段階によって,職員の増減,接続元の変化などが急激に生じることがあり,傾向分析等で機械的に異常を見つけることは難しい.
加えて新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)以降は,大多数のユーザが日常的にリモートアクセスを利用する状況となった.私たちは,勤怠の実績や組織の稼働状態を把握して運用に役立てるため,リモートアクセスのログをグループごと及び個人ごとに着目した調査を試みた.本稿では二つの調査について述べる.
分析対象としたデータは2020年1月1日から2021年9月14日の約20か月分で,リモートアクセスの接続成功のログは1,215,753件である.認証に失敗したログは含まず,利用者の総数は7,077人であった.
図1に日ごとのリモートアクセス利用者数を色の濃度で表した二つの図を示す.図は左から2020年と2021年の各日のユーザ数をカレンダーのように表現している.上部から下部にかけて各年の週を示す行を構成し,各列は曜日を示す.左端は日曜日で右端は土曜日を示す.各ますは対応する日のユーザ数を色の濃度として表す.図では白を0人として最も濃い赤が3,529人を示すように描画した.カレンダーのような表示としたのは,大会準備の長い期間,多くの職員は土日や祝日に勤務をしない勤務形態であるなど,曜日による利用傾向の可視化を狙ったためである.この図から読み取れる傾向を以下に述べる.
続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。
電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード