2-10 4K IPプロダクションとバーチャル制作

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Vol.105 No.8 (2022/8) 目次へ

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2. 通信・無線・放送

特集 2-10

4K IPプロダクションとバーチャル制作

4K IP Production and Virtual Production

鈴木貴士 伊藤崇仁

鈴木貴士 伊藤崇仁 日本放送協会放送技術局

SUZUKI Takashi and ITO Takahito, Nonmembers, Broadcast Engineering Department, Japan Broadcasting Corporation.

電子情報通信学会誌 Vol.105 No.8別冊 pp.862-866 2022年8月

©電子情報通信学会2022

abstract

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でNHKは様々な新しい技術的取組みを行った.本稿では,渋谷にあるNHK放送センターを中心に各競技会場や制作拠点をIPで結んだオリンピック4K IPプロダクション,国立競技場に仮設したNHK専用特設スタジオでの最先端のバーチャルCGコンテンツについて紹介する.

キーワード:NHK,4K,IPプロダクション,バーチャルCG

1.4K IPプロダクション

1.1 システムの概要

 東京2020オリンピックでNHKはIP(Internet Protocol)を活用した4K IPプロダクションを行った(東京2020パラリンピックは同じシステムを2Kで運用).今回の4K IPプロダクションでは,中核となるNHK放送センター内のCT450スタジオ,国立競技場に設置したNHK専用の特設スタジオ,10か所の競技会場,日本青年館に設置した制作拠点をIPネットワークで接続して遠隔地から番組制作を行うリモートプロダクションを行った(図1).今回のシステムインテグレーションは調達の結果ソニーが採用され,リモートプロダクションに必要不可欠な低遅延という特性を持ち,実績も豊富なIPライブ伝送技術であるNMI(Networked Media Interface)を中心に,映像や音声だけでなく,その他の制御信号や連絡システム含めて全てIPに対応した中継制作システムとした.

図1 4K IPプロダクション概要(©2021 NHK)

1.1.1 NHK放送センター CT450スタジオ


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