ニュース解説 シリコン量子コンピュータの実用化に向け,大規模集積に向けた新たな量子ビット制御方式を提案

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Vol.106 No.11 (2023/11) 目次へ

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最近の新聞等で報道された技術情報を深める ニュース解説

◆今月のニュース解説

シリコン量子コンピュータの実用化に向け,大規模集積に向けた新たな量子ビット制御方式を提案

 ――量子ビット間の干渉を回避することで,従来よりも高い量子計算精度を維持できることを確認――

 Proposal of a New Qubit Control Method Suited for Large-scale Integration toward Practical Realization of a Silicon Quantum Computer

3種類以上含む混合ガスのリアルタイム濃度センシングに成功

 ――カーボンネガティブを支える超小形・高速応答MEMS熱伝導形ガスセンサ技術――

 Succeeds in Real Time Measuring Mixture Concentrations of Three or More Gases: Ultra Small and Fast Sensing Technology Based on Micromachined Thermal Conductivity Gas Sensor for Carbon Negative Technology

シリコン量子コンピュータの実用化に向け,大規模集積に向けた新たな量子ビット制御方式を提案

――量子ビット間の干渉を回避することで,従来よりも高い量子計算精度を維持できることを確認――

 近年,量子コンピュータの開発においては,量子ビットの個数を増加させる大規模集積化が課題になっている.量子化学計算をはじめ,従来のコンピュータで不可能な規模の計算を実現するには,100万量子ビット以上の規模の量子コンピュータが必要と言われている.

 量子コンピュータには様々な方式が存在するが,その中でも「シリコン量子コンピュータ」は,成熟技術である半導体技術を活用することができ,量子ビットの大規模集積化に有利な方式として期待されている.日立製作所は,量子ビットを格子状に配列させ集積化を行う「二次元シリコン量子ビットアレー」の開発を進めている.シリコン量子ビットアレーでは,シリコン素子中に形成した「量子ドット」と呼ばれる微細構造の中に1個の電子を閉じ込め,そのスピン(注1)を量子ビットとして用いる.従来,その電子は量子ドットの中から動かさないのが前提であった.


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