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◆今月のニュース解説
①シリコン光集積回路を用いたユニバーサル量子分類器の原理検証実験
――シリコンフォトニクスによる量子機械学習の実現に向けて――
The Principle Verification Experiment of a Universal Quantum Classifier with Silicon Photonic Integrated Circuits: Toward Achieving Quantum Machine Learning with Silicon Photonics
②相転移メモリを利用した高いエネルギー効率のアナログAIチップを試作
Prototyped Energy-efficient Analog AI Chip Using Phase Change Memory
――シリコンフォトニクスによる量子機械学習の実現に向けて――
香川大学の研究グループは,慶應義塾大学,情報通信研究機構と共同で,シリコン光集積回路を用いた,ユニバーサルな量子分類器の原理検証実験に成功した.研究グループらは,2020年に理論提案されたData Reuploadingを用いた分類手法を光量子回路へ適用し,ユニバーサルな光量子分類器が実現可能であることを示した.更に,シリコン光集積回路を使って量子分類器を実装し,約94%の正答率で入力データを分類することに成功した.
分類器は,機械学習の分野における一つの手法であり,教師データに基づいて未知のデータを特定のカテゴリーに分類するためのものである.量子分類は通常,以下の三つのステップで行われる.まず,入力データを量子状態へ符号化し,次にその量子状態を操作し,最後に量子測定を行う.一般に,分類器の特性はその実装モデルに依存し,これまでに様々な手法が提案されている.その中の一つに,ニューラルネットワークのモデルを用いたものがある.これは,量子回路を並列的に用意し,入力データの情報を分散的に記憶させて処理を行う手法である(図1(a)).一方で,この手法を光量子回路へ適用するには,複数の量子回路とキュービットを並列的に用意する必要があるため,その実現は理論的にも実験的にも難しい課題があった.
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