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2．宇宙／衛星通信 | |
| Beyond 5Gの実現に向けた宇宙×ICT技術戦略 | ||
| Space ICT Strategy for Beyond 5G | ||
| 松田圭太 | ||
総務省では，宇宙基本計画及び工程表に基づき宇宙×ICTの技術戦略を推進している．今後，Beyond 5Gの実現に向けて，陸上，海上，上空，更には宇宙をシームレスにつなぎ国土100%カバレージ達成を目指していくためには，非地上系ネットワーク（NTN）の実現が重要である．そのため，第210回臨時国会で国立研究開発法人情報通信研究機構（以下「NICT」）に革新的な情報通信技術の創出のための公募による研究開発等の業務に要する費用に充てるための基金が設置されたところであり，今後その基金を活用してNTN実現に向けて基盤となる研究開発を進めていく．本稿では，まずは政府全体の宇宙開発利用推進体制を紹介し，総務省で実施している宇宙通信関係の施策，更にはBeyond 5G実現に向けた宇宙関係の研究開発について紹介する．
キーワード：Beyond 5G，NTN，ICT，宇宙通信，研究開発
政府では，図1で示すとおり，宇宙基本法に基づき宇宙開発戦略本部が設置され，本部長として内閣総理大臣，副部長として内閣官房長官及び宇宙政策担当大臣，本部員として全閣僚が構成員となり，宇宙基本計画の策定や，それに基づき策定される工程表の改訂（毎年）を実施している．
また，宇宙開発戦略本部の諮問機関として宇宙政策委員会（委員長：後藤高志(株)西武ホールディング代表取締役）があり，我が国の宇宙開発利用に係る政策等の重要事項について調査・審議をしている．
これらの事務局として，内閣府宇宙開発戦略推進事務局があり，総務省，文部科学省，経済産業省をはじめ宇宙関係省庁の全体調整を行っているところである．
政府では，平成20年に宇宙基本法を策定し，同法24条に基づき宇宙開発利用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため，宇宙開発利用に関する基本的な計画を策定しているところである．宇宙基本計画の直近の改訂は令和2年に行われ，多様な国益に貢献するため，戦略的に同盟国等とも連携しつつ，宇宙活動の自立性を支える産業・科学技術基盤を強化し，宇宙利用を拡大することで，基盤強化と利用拡大の好循環を実現する，自立した宇宙利用大国となることを目指すとされており，それを実現するために宇宙政策の目標と具体的アプローチが掲げられ，総務省含め各府省がこの計画にのっとり宇宙関係施策を進めている(1)．
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